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2019年2月 3日 (日)

陽炎(80)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 物流学会は神戸で行われた。梅田からいつもは京都線だが、神戸線の特急に乗り込んだ。西宮北口と三宮はノンストップだった特急もいつの間にか六甲に停車するようになっていた。駅で定期区間外乗車の精算をして坂道をキャンパスに向かって登った。受付では博士後期にに進んだ王さんとも出くわした。彼女は博士論文のテーマとして「中国における高速鉄道と航空の競争」を選んでいた。

 前年の六月末に北京・上海1300キロを六時間で結ぶ路線が開業したが、日本からのツアーはまだ航空利用だけである。だが、東北部の大連・瀋陽・長春・ハルピンとなると大連とハルピンは空路でも都市間の移動は高速列車が考えられた。上海や北京から西安はさすがに高速鉄道では無理、香港への出入りは列車だと何かとありそうな区間である。

 王さんは交通学会には入ったが、物流のほうは手伝いだけである。私からも無理して進めなかった。彼女は夏休み前に交通学会の関西部会で研究テーマの発表を行った。会場にはJRや旅行代理店の関係者も姿を見せた。

 統一論題で私は「災害時の鉄道が高速道路に比べて脆弱であるため、貨物輸送がトラック主体である状況は変わらない」ことを指摘した。救援物資の緊急輸送はトラックや航空、復興に必要な資材の輸送もトラックか船舶というのが現実である。災害廃棄物の広域処理で鉄道も利用されたものの、石巻から北九州に運んだケースは船舶だった。

 災害廃棄物の広域処理、それは放射能汚染との戦いでもあった。受け入れは大阪でもやったが、償却しても放射性物質は飛び散っていないというアピールのために測定値が細かく公表された。

 交通学会ではローカル地域の鉄道が被災した場合の復旧に関する問題や空港・港湾の津波対策が取り上げられた。関西はもちろん、羽田・中部・北九州・神戸は海上空港であるし、海に面した空港は仙台・高知・徳島・松山・山口宇部・佐賀・宮崎・那覇と多々あった。山口宇部は台風で滑走路が冠水したこともあり、とにかく対策が急務である。

 交通では環境や高齢化社会への対応といった課題も指摘され、さらに観光と地域経済という問題も取り上げられた。九州では新幹線が博多から鹿児島までつながったが、鹿児島そのものよりも終点から少し離れた指宿の波及効果が大きいという報告が九州運輸局の人がなされた。このところ学会は学者よりも行政の人が盛んに発表していた。どうも政権交代の波で今までのような出世の階段は期待できず、学級への転身を視野に入れている人が多いのかなと思った。

 

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