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2019年2月 2日 (土)

陽炎(77)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 東日本大震災の被災地からの受験生の検定料は免除にするという決定は四月の教授会で決まった。また実家が被災地にある学生の授業料についても配慮することが決定した。検定料は入試委員会、授業料は学生委員会からの発議である。被災地ボランティアについては授業期間中に行った場合に単位認定の代わりにするべきが議論されたが、大阪からは遠いということでボランティアは長期休暇の時に行うということで教務・学生が合意した。

 バスをチャーターして金曜の夜に出発、土曜の朝現地着、日曜の昼まで活動をして月曜の朝に戻るという企画をしたケースが他大学であったが、参加者の健康状態への影響も考え、せいぜい中京圏までとなった。大阪・花巻の空路を利用して三陸沿岸に行きたいと相談室に来た学生もいたが、まずはボランティア保険などの講習を受けることを勧めた。大学から交通費を補助するという議案もゴールデンウィーク明けに出て学生委員会で審議した。大阪と仙台・花巻の航空便を利用するとして一人三万円までということも決められた。

 夏休みに実施されたのは宮城県の東松島、岩手県の山田町での泥の片付け作業だった。瓦礫の中に「思い出の品」が残っていないかを確かめるのも目的である。また、行方不明者の骨片が出てくる可能性も念頭においての作業だった。東松島には三人、山田町には四人が参加して山田には学生委員会の准教授が同行した。

 入試問題の作成では私の専門でもある国鉄改革を地理や歴史とからめて作った。1980年代の出来事が今の受験生にとっては「歴史の一番新しい部分」というのが時代の流れを感じさせた。私のときは1956年が一番最後で「もはや戦後ではない・日ソ共同宣言・国連加盟」というキーワードである。

 物流学会ではインドの鉄道貨物についての報告に対するコメンテーターを求められた。発表者は九州の大学に留学しているインド出身の学生である。会場は岐阜の大学だった。交通のほうは東京都西部にあるH大学である。こちらは特に言われたこともないので出席は見合わせた。震災を受けた研究はいずれの学会でもまだ見当たらなかった。

 運輸専門誌では即応があって夏には震災と交通という特集が組まれ、運輸事業者を中心にどのような対応をしたかが記された。新幹線は重大事故なしですんだが、首都圏の在来線はストップして大量の「帰宅難民」を出した。鉄道の復旧、さらに空港や高速道路と阪神大震災以来の大規模災害の記録が次々に残された。

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