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2019年1月 4日 (金)

陽炎(22)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 関西国際空港は二度目である。前回は着陸してすぐにバスで和歌山に向かったのでターミナル内をじっくり見ていなかった。最終便のA空輸にチェックインして座席は右窓側にした。左はすでに埋まっていたのである。機種は導入されたばかりの777だった。ターミナルビル内の食堂街で夕食をするとセキュリティチェックを受けて搭乗口に向かった。

 777に乗り込むときにブリッジからエンジンを見た。747のそれと比べると直径が太く、小型の737の胴体並みのものである。これを四つつけたらさぞかし大きな機体が作れるだろうと思ったが、J航空が737を国内ローカル向けに導入するように「よく大きく」路線は見直しに入っていた。

 機内に入ると747のように二階席がない分、天井が高かったし、747の横十列のシートは三人がけの三列となっていたため、いくぶんユッタリ感があった。これで777に対する第一印象がアップした。シートに腰を下ろすとベルトを締め、イヤホーンのチャンネルをポップスに合わせた。

 乗客は窓側がすべて埋まったものの、間の席はガラ空きである。やはり伊丹のほうが都心に近いから関西の利用は振るわないのだろうと思った。離陸は北向きに行われ、連絡橋や湾岸の明かりが見る見るうちに下へ遠ざかった。777は左旋回を始めた。私は窓に顔を寄せて大阪から神戸に連なる夜景に視線を走らせた。震災から一年過ぎて光の勢いの差は少し縮まったように思えた。777のエンジン音は747に比べて甲高かった。左旋回が終わって東向きに飛ぶようになるとドリンクのサービスが始まった。

 震災のレポートは三月末に仕上がった。ヒアリングの文章化と平行して次のN社からの受託テーマとして私は「エアラインによる航空券直接販売の動向と対応策」という提案をしてみた。これは旅行事業部に対してである。航空券の代理店販売は手数料収入を得られるが、エアラインが直接販売しようとする流れが始まっていた。前年秋には秋葉原で新しいパソコンソフトの販売に伴うインターネットを見て、そういう流れが起きるのではないかと感じた。

 鉄道貨物の調査では東京・福岡の災害時の迂回ルートの案が示された。御殿場、天竜浜名湖、赤穂、呉、岩徳の五路線の代替能力の検討である。この研究はレポートを参考にして自分の意見を入れる形で物流学会に提案することにした。そしてメタノール自動車は九州で終了となったが、とりあえず関わった調査の一つとして新たにファイリングである。

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