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2019年1月 5日 (土)

陽炎(23)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 初夏の日射しが羽田空港に降り注いでいる。D航空で北九州に向かう私はターミナル南側の一番端の一番搭乗口へ歩きながら駐機場を見ていた。四年目になって北九州市から新空港に向けた航空貨物調査が始まった。主任研究員とはまた別行動で、市役所ロビーで落ち合うという状況である。

 福岡空港ならばA空輸のフライトがあるが、北九州はD航空のみ、しかも朝と夕方に一往復ずつというダイヤだった。それでもこの路線にするのは実態を見ておくという現場第一主義からである。同じD航空でも福岡便はもう少しモノレール駅からの歩く距離が少なくてすんだが、バスに乗るよりもマシである。

 MD87というジェット機は鉄道貨物調査で札幌から青森に移動するときに乗ったDC9よりも少しだけ大きかった。私が今までに乗った中で一番小さいのがDC9で、これはその次である。胴体の後ろにエンジンが二つついているが、私の席は左翼より前の窓側だった。乗り込むと左は二人がけ、右は三人がけ、通路一本ということで圧迫感があった。

 離陸すると747とは比べ物にならない上昇力で、エレベーターのような感覚だった。横浜ベイブリッジを見下ろし、江ノ島を遠望し、富士山の火口を北側から覗くように飛んだ。大阪を過ぎると明石海峡に建設中の橋が見えた。岡山あたりからは瀬戸内海の上を飛ぶ幹事で、福岡に向かうコースよりは南である。

 周防灘が海面がどんどん迫り、海から陸地になって山をかすめるように飛んだ。これは福岡よりもスリリングかなと思ったが、小型機なのでそんなに恐怖は感じずにすんだ。宅地開発された丘を見下ろしながら右旋回し、都市高速をまたぐと左手にまた山が見えた。高度はだいぶ下がり、スクリーンがないけど、空港は目の前かなと思ったら着地した。

 到着口を出るとすぐ前にバスの停留所があった。これに乗って小倉駅に行き、駅前で食べるところを見つけて少し早めのランチをした。市役所は小倉駅から歩いて十五分泥土の場所なので歩いてアクセスした。午後一時に港湾空港局というところを訪ねて名刺を交換し、どんな調査をするかを打ち合わせた。

 今の空港は山に囲まれていることもあり、海上に新しい空港を作ること、完成すると南北4000mの人工島になるが、当面は747が入れる2500mで運用すること。どれだけの貨物を集められるのかということだった。福岡は内陸だが、新空港は海上なので二十四時間発着でき、深夜の貨物便の就航が可能だった。

 

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