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2019年1月12日 (土)

陽炎(36)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 単位の認定という大学教員としてはもっとも気の重い職務はとりあえずゼミは全員「優」をつけるということでクリアした。もっとも一年で三人、二年で二人がゼミに出ず、他の授業にも出ていないということで「未履修」とせざるを得なかった。物流産業論でも小テストも本試験も受けなかった者は未履修、本来は落としている者が「可」で「優」は受講生の七割に与えた。

 大学入試センター試験の会場となって付属校および茨木市にある高校がO産業大学で受験した。私は教室の担当となったが、受験生の集中を乱さないようにとても気を使った。一年ごとに若手教員は教室・警備というローテーションだそうである。警備は門および廊下で廊下の場合はトイレへの付き添いという役目もあるが、女子の場合は女性の教職員ということが決まっていた。「男の場合、個室に入っていたら不自然な音がしないか聞き耳たてることになるかな」と先輩教員の一人が軽口をたたいていた

 共同の著書のほうは原稿を二月の末に編者の先生に出した。先生からはメールで「良好」という返事をもらった。海運については50ノットの貨物船に言及したが、実現の見込みは小さくなり、静岡県が防災用に実験船を引き受けただけである。コンテナの荷役も時間がかかる上に設備としては車両を積みおろしする「ロール・オン・ロール・オフ」の方式、速度も30ノットが適正というところに落ち着いていた。

 鉄道貨物もトラックを貨車に載せる「ピギーバック方式」が積載効率の点から立ち消えとなった。海上コンテナの輸送も期待はずれだった。日本の貨車のコンテナ積載スペースは長さ60フィートで、国鉄時代に作られた「五トン積みコンテナ」は長さ12フィート、一両に五個積めるという仕様である。これが以前の海上コンテナの主流である20フィートなら三顧、トラック事業者の好む30フィートて二個でちょうどよいが、海上コンテナの中心となりつつある40フィートが中途半端な存在となってしまった。

 航空貨物についてはボーイング777の胴長タイプがデビューした。747よりも胴体が3mも長くなり、貨物の積載量も旅客タイプで五割り増しというところである。さらに旧ソ連の軍用輸送機アントノフ124を活用した重量貨物輸送についても紹介した。この積載量は747の貨物用が100トンなのに対し、150トンあった。ただし、旧ソ連のエンジン技術の拙劣さから航続距離は短かった。

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