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2019年1月11日 (金)

陽炎(34)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 大学で年二回出される「紀要」への投稿もすることにした。研究所時代の「関西の航空貨物動向」の焼き直しである。大学では文章をパソコンのワードで作成することになった。物流学会で発表することは移ったばかりで控えるが関西部会で何らかの発表をすることも考えていた。それは交通学会も同様である。ただ、新しい生活も始まるので、慣れるのが先決だった。

 六月に挙式をして大阪市の住吉東というところに住むこととなった。通勤も南海電鉄の住吉東駅から天下茶屋で乗り換えて境筋線、そして淡路から阪急京都線というルートである。住居は賃貸のマンションで2DKだった。とりあえず夫婦二人で住むには適度なところかなと思った。

 新婚旅行は八月に入ってロンドンに行った。関西国際空港からシンガポールを経由してというルートでの往復である。一日目は昼前に出発して深夜に乗り継いで二日目の早朝にロンドン着、ロンドンのホテルには三泊して主要スポットを回った。インターシティを利用してエジンバラやリバプールに行くには少し日数が足りなかった。六日目の昼には帰国の途についてシンガポールで未明に乗り継ぎ、大阪には七日目の朝に戻った。

 出発前に物流学会から「新幹線を活用した貨物輸送」という研究のコメンテーターを依頼された。R経済大学の院生二人によるものだが、指導教員は古巣の出身ではなく、論稿を読んでみると非常に気になる点があった。新幹線を利用した宅配貨物のサービスは国鉄時代からあったが、いつの間にかなくなっていた。それを復活するという意図ならわかるのだが、専用列車を走らせようというところに疑問を感じた。

 航空貨物にも使われている品目として農水産品・化学工業品・軽工業品・金属機械工業品などが上げられているのだが、化学工業品の移出が多い山口県が有望という結論には開いた口がふさがらなかった。航空貨物の調査をして確かに山口県の貨物量は多いのだが、それは石油製品やセメントで、船で運ぶものだからである。

 物流学会は東京であり、交通学会は神戸であった。震災からの復興状況も見てもらおうということで神戸港の見学会もあった。会場は阪急六甲駅から歩いて坂を一キロ登るのだが、絶景に参加者は感嘆していた。次の交通学会はW大学で行われることが決まり、私は日本の新しいエアラインに貨物が入る可能性を論じようと思った。S航空は羽田と福岡を一日三往復で運航を始めたばかりである。

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