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2018年12月 8日 (土)

青春の影(6)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 ゴールデンウィーク明けの地方実業団は連合チームの副将として臨んだ。一回戦はM電機である。二勝一敗で清二に回ってきた。清二は小手返し面で先手を取ったが、面返し胴のタイミングが遅れて引き分けにされた。大将も引き分けたが、二回戦に進むことができた。次の相手は警備会社だった。一引き分け二敗で回り、清二は取り返そうと全力をあげたが、出小手と合い面勝負に負けて敗北した。

 八月の三度目の五段挑戦も不本意な結果になった。電力会社の体育館は冷房が入っていたが、連日の暑さで鈍くなっていた動きは審査員の心に響く稽古を見せられず、またしても実技で自分の番号はなかった。今回は「24番」と少しずつ後ろへ移動していた。

 グループの剣道大会が行われた九月も夏の暑さをひきずった。予選は貨物とE社のDチームである。貨物は二勝一引き分けて回ってきて清二は焦る相手から面返し胴を二本奪った。E社Dはきわどいことになった。前三人が引き分け、清二は小手抜き面で一本負け、大将が二本取ってなんとか決勝トーナメント進出である。

 トーナメントの相手はいきなりE社のAだった。今度は二敗一引き分けという崖っぷち状態である。清二は持てる技のすべてを駆使したが、つばぜり合いからの引き面で一本負けしてまたしてもグループでの頂点はお預けとなった。優勝したのはE社のAである。

 一ヶ月後には国土交通大臣杯で上京した。今度もA空輸に乗り、両国のスカイツリーが見えるホテルである。東京武道館へは秋葉原に出て山手線に乗り換え、西日暮里で地下鉄にそして綾瀬へとアクセスした。

 初戦の相手はS商船である。相手の副将が欠場になったため、清二は不戦勝、三勝一敗一引き分けで次に進んだ。次の相手は関西のH電鉄、京阪神で火花を散らす間柄である。H電鉄の電車と同じチョコレート色の胴をみんなで揃えていた。先鋒は面一本ずつで引き分け、次鋒は小手で先行されたが、逆胴と面でリードを奪った。中堅は面抜き胴で先制したが、小手を二本決められた。

 清二は逆胴で先行した。いきなり左上段の構えを見せて相手が当惑したところを切り込むのが功を奏した。二本目は面抜き胴を奪い、V字斬り達成である ところが、大将が面と小手で二本負けとなり、代表戦を行うことになった。

「やってもらえるかな」

 監督が清二に声をかけた。向こうは大将がそのままである。ずんぐりした体型でたぶん胴も得意なのだろうと思った。案の定初太刀は面に出たところを抜き胴に来たが、相手の竹刀が当たったのは垂れである。どこで必殺の小手・胴を使うか、相手に悟られないように間合いを調節し、終了ぎりぎりで繰り出したのが決まった

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