ラスト昭和(9)
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博多に着くとQ大学に足を運んだ。大会の会場は市民体育館だが、前日の調整はQ大学の武道場で合同稽古ということになっていた。武道場は地下鉄駅の中間点にあって歩くのが少しトレーニングにもなった。Q大学の他に長崎や鹿児島の国立大も来ていた。
敦たちの大学も近くを大阪空港に降りる飛行機が低空で飛んでいたが、こちらも福岡空港に降りるコースのそばで、ひっきりなしに轟音が響いた。基本練習のあとに練習試合もしたが、敦はQ大とは引き分け、熊本・鹿児島の大将には負けた。チームは三戦三敗という結果である。
合同稽古の後は博多駅近くのホテルに移動した。大会に関西や中国・四国から参加するチームも来ていて「呉越同舟」のようだった。市民体育館も地下鉄駅のすぐ近くで隣は県庁があった。
最初の相手は地元のS学院大学だった。前の四人が二勝二敗で一本差でリードという状態で回してきた。敦は冷静に相手の動きを観察し、面を取りにきたところを胴に返して一本勝ちした。
次の相手も地元のF大学である。今度は一勝三敗で負けが決まった状態で回された。敦は面勝負で小手を取られての一本負けだった。試合が終わってから帰りの新幹線までの時間はかなり残った。とりあえず優勝がどこになるかを見届けることにした。決勝は関西で優勝したD大学と福岡にある教育大学となり、D大学が勝った。
帰りの新幹線も座席が四列というタイプだった。真ん中に二階建て車両が組み込まれたタイプは東京・博多を一番早く結ぶ「ひかり」に使われていたが、その最終は出たあとだった。
大学剣道は秋の三商大を残すのみとなった。あとは四段を受けるかどうかであるが、その前に就職が決まらないといけなかった。幹部交代は九月で、三年生は工学部で地元のS高校から来た者が有力である。
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