陽炎(11)
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鉄道貨物の委員会が十一月に入ってすぐに行われた。座長は国鉄から東大教授に転身した人で「私は鉄道オタク」と公言していた。運輸省の会議室で運輸省の鉄道局や貨物流通企画局、JR貨物の幹部にн社の通運部長がメンバーで、そんな中で私は日本の鉄道貨物の現況をレポートした。資料は地域間の流動で、コンテナは関東と北海道・関西・九州、石油やセメントなどの車扱は地域内の短距離というところである。
調査の方向として、関東・北海道のコンテナの課題を今年度は進めていくことになった。JR貨物には隅田川と札幌・八戸のコンテナ取り扱い状況のデータを出してもらうこととなった。八戸も出す理由は苫小牧から八戸まで船で運んで陸送するケースが多いという指摘からである。また、列車のダイヤも提供してもらうこととなった。縦軸に駅、横軸が時間という表には斜めの線が張り巡らされ、それを見ると専門家には一目瞭然というものである。
メタノールのほうは峰岸のところが給油所の分布、私は東名・名神の通行実態をグラフ化することになった。名古屋で、トヨタ自動車の副社長を委員長にしたワーキンググループがあり、そこに石油連盟やトラック協会などが加わってまず十一月に顔合わせ、二回目が年明けの一月十七日に開くということが決まった。
福岡市の調査については十一月にも出向いてヒアリング先の選定と報告書の方向性を話し合った。博多港と関東・関西は関門海峡通過がどうしてもネックで日本海も考えること、国際の可能性というところである。新型高速貨物船はジェットふぉいるとホバークラフトの二種類が開発中でジェットは神戸沖、ホバーは長崎で実験した。ホバーのほうが有望ということも盛り込むところだった。ヒアリングは一月の終わりまでに福岡市・北九州市・久留米市などを回るのだが、どこで一週間まるまる使うのかが問題である。
関東運輸局の調査はヒアリングを文章にするとあとは報告書にするだけとなった。佐賀のテーマも二回目以降のワーキングは主任研究員だけが出席というところである。そうして新たに加わったのはN社テーマの旅行事業のスキー・ゴルフ用具宅配利用の調査だった。これは観光にも手を広げたい渡しには渡りに船である。
個人としての研究では物流学会で報告したイギリスの鉄道貨物を年俸に掲載してもらうための査読を受けた。とりあえずは「ドーバー海峡トンネル開業に伴う変化」を今後の研究課題とすることでクリアした。交通学会についてはイギリスの航空自由化への対応ということで他国への進出をどのように図るかとか格安のエアラインというところから手をつけ始めていた。旧ソ連にも興味はあったが、これはコラム記事への寄稿にとどめた。
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