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2018年12月28日 (金)

陽炎(10)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 送迎デッキからは滑走路をはさんでJRの線路が見えた。札幌と空港を結ぶ快速はターミナルビルの地下に入るが、かつては千歳空港駅と長い歩道橋でつなぐ形だったそうである。かつての空港駅は南千歳駅と改名され、苫小牧方面に向かう場合はここで乗り換えという形である。

 線路をコンテナを積んだ貨物列車が走った。札幌から室蘭までは電化されているが、そこから函館までは電化されていないため、ディーゼル機関車が引っ張っていた。運輸省の調査では関東・北海道の輸送力強化を検討するということだった。貨物列車が走り去ると、室長たちが乗った釧路行きの飛行機が動き出した。D航空のMD81という飛行機で胴体の後ろにエンジンが二つついた小型のジェットである。

 私が乗る予定の羽田行きにはクジラの塗装をした747が入った。これで六回目の搭乗である。ずっと羽田と福岡の間だったが、新千歳は初めてだった。早めに座席指定して二階席を指定していたが、クジラになるとは思わなかった。午後四時に出発して羽田には六時前に到着、そのまま小岩に直行した。スーパーはぎりぎりのタイミングだった。

 佐賀と福岡に持っていく資料は月曜には用意して家に置いていた。佐賀は私と主任研究員を含めて八人のワーキンググループで、航空貨物や九州の貨物の動向をA4で五枚程度にまとめたもの、福岡市のほうは先方とこちらの四人分で、ヒアリング先の候補となる企業のリストや実験船の最新動向だった。

 木曜日の朝九時に羽田を出発するA空輸の747に乗った。主任研究員とは佐賀駅前のワーキングを行うホテルのロビーで落ち合うことになっていた。左翼より前の窓側に座って富士山を目にした。降りると佐賀に向かう高速バスに乗った。駅前で見つけたハンバーガーショップでランチを済ませ、午後一時半から始まるワーキングに臨んだ。

 二時間くらいで終わると高速バスで福岡に移動してホテルに入った。翌日はまた昼からなので、気分転換に大宰府まで行ってみた。高校の修学旅行で訪れて以来である。そして港湾局での打ち合わせでは、福岡市や久留米市だけでなく、北九州市も含めて欲しいと要望された。国内なら北九州からは逆方向になるが、国際航路ならばである。

 帰りの飛行機は早めにチェックインして左の窓側を確保した。午後七時に出るので夕食は空港の食堂で済ませた。天気がよいので、関西では高度一万メートルからの夜景が見事だった。すぐ下には関西国際空港、大阪も神戸も空に向けてさまざまな色の光を放っていた。

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