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2018年12月28日 (金)

陽炎(9)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 関東運輸局に委託された調査では十月半ばに関東と関西・九州・北海道を結ぶ航路のヒアリングが行われた。九州は別の研究室の主任研究員がやり、室長と私は関西・北海道の担当となった。関西は和歌山港と大阪港だが、和歌山出張の交通手段をどうするかで九月に完成したばかりの関西国際空港を利用することとした。

 東京・大阪の移動は新幹線移動が原則だが、和歌山は大阪からさらに一時間以上かかるということから「飛行機利用の前例を作る」ということにした。時間はJALしかなく、渋々それで飛び、最初のヒアリング先である和歌山県庁には空港からの連絡バスに乗った。鉄道なら乗り換えだが、バスは一時間で直行できた。海上の長い連絡橋に阪和自動車道からの紀伊平野の眺望が新鮮だった。大学時代に和歌山に足を運んだときは阪和線の電車利用である。

 県庁の次に和歌山港のN社の海運事業所を訪ね、和歌山港駅から難波までは特急「サザン」を利用したが、指定席ではなく、前方の自由席に座った。室長は心斎橋のホテルに投宿し、私は実家に泊まった。これが出超での帰阪の最初だった。大阪府庁と市の港湾局、N社の海運支店に行って室長は新幹線で戻ったが、私は交通学会前日ということで実家にR大学での学会に出て東京に戻ったが、旅費精算は室長と合わせた (A;´・ω・)アセアセ

 月曜日はヒアリング内容のワープロ打ちをして火曜日は北海道に出撃である。今度はA空輸の747だった。新千歳に着くとバスで苫小牧まで一時間かけて移動した。苫小牧港にあるN社の支店で話を聞き、茨城県の大洗と結ぶフェリーの事業所も訪ねた。そして特急列車で札幌に向かい、駅近くのホテルに泊まった。ススキノに繰り出すというようなことはなく、部屋でヒアリングのメモを文章にする作業をした。そうしないと福岡市・佐賀・運輸省の鉄道貨物に対応する時間が取れなくなるのである。

 水曜日は小樽に向かった。関東運輸局の職員と小樽の出先機関で待ち合わせて一緒にヒアリングするという形である。札幌からは普通電車で移動した。小樽の駅から港までは一直線の道路で観光客もちらほらいた。運輸局職員と室長は釧路に行ってここと日立を結ぶ牛乳輸送船の関係を訪ねるが、私は木曜の佐賀、金曜は福岡市というスケジュールが入っていた。とりあえず新千歳までの快速電車に乗り、カウンターで別れると見送りも兼ねて送迎デッキに上がった。

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