« ヤマダ電機のギフト(2) | トップページ | 青春の旅立ち(8) »

2018年11月21日 (水)

青春の旅立ち(7)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 二月の半ばに行われた四段の審査は金曜からの勤務ということで土曜の夜に最終調整できた。清二が割り当てられたのは4番である。3番はA大学の女子学生でU高校だった。5番はY大学の学生で他の県で三段を取っていた。野村が見学を兼ねて採点表の回収係をしていた。

 正月は元日朝からの二十四時間勤務で、二日の午後Y高校の稽古はじめに顔を出した。晋一は参加せず、品川や野村はやって来た。まず三段を取ったばかりの野村と立会いをして最初は合い面勝負、清二は出小手・野村が面返し胴と推移した。品川とはやらず、あとは現役男子八人が相手である。

 岩本には出鼻面を決め、面抜き胴をとられた。赤崎・杉山・村松にも合い面では勝ったが、赤碕と村松には出小手を取られた。一年生四人とも最初は合い面勝負、これも自分のほうに上がるかなというところである。伊藤と井上に出小手を打たれ、山尾には引き胴と小手から胴への連続を打たれた。清二は山尾に「技の幅が広くなった」とコメントした。

 寒稽古も非番のときに参加した。ひたすら面勝負て行って、赤崎・伊藤・井上そして山尾が面返し胴を決められた。副顧問とも審査を意識した稽古をやり、合い面勝負や合い小手・面、面返し胴などを磨きこんだ。この冬は前年に比べると冷え込みはさほど強くはならなかった。

 体育館の外は小春日和、年配の受験者は「アキレス腱には気をつけましょうね」と言い合っていた。四段は23人、五段が21人と夏に比べて減っていた。夏に残念な結果だった人も再挑戦で姿を見せていた。

 清二は2番と3番の立会いに注目した。1番と2番は互角、3番の女性は声がよかったが、面勝負では押され気味だった。それでも出小手をひとつ決めて一分半の試合稽古を乗り切った。

 互いに礼をして三歩進み、抜刀、蹲踞と気持ちを集中させた。立ち上がると相手は甲高い声をあげたが、清二は低く唸るように腹から声を出した。剣先が触れ合い、相手の中心を押さえたところで一気に面に出た。清二より少し低い相手の面布団が乾いた音を立てた。

 次に清二は小手・面を見せた。つばぜり合いの状態になったのですかさず引き面で間を開けた。また一足一刀の間に迫ると再び面に飛び込んだ。相手が身をかわして清二の胴を抜き、右わき腹から腰の左にかけて風が吹き抜けたように感じた。振り向いて今度は相手が面に来る小手を押さえたら「やめ」の号令が聞こえた。

|

« ヤマダ電機のギフト(2) | トップページ | 青春の旅立ち(8) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ヤマダ電機のギフト(2) | トップページ | 青春の旅立ち(8) »