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2018年11月 2日 (金)

十五の春(8)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 練成試合では山田と白川が四勝、重岡・晋一・村井・弘中そして一年に混じった岡野が三勝を挙げた。勝ち星ゼロはいなかったが、松井と品川の一勝が少ないところである。二人ともあとは引き分けという結果だった。

「試験休みのときも道場だな」

 帰りの車で晋一が清二に言った。もちろん清二も顔を出すつもりでいた。小学校時代と同じく、小学校の体育館で火曜・木曜・土曜の夜に稽古が行われていた。晋一が品川にも参加を促した。品川は県内の別の場所にいたので古巣の道場に顔を出すのは難しかった。

「Y大に出稽古というのはどうだ」

 信号待ちのときに父が言った。市役所に勤める父はY大経済学部出身である。大学以降は剣道をやらず、二段のままだった。

「今年も市民大会にY大来るのかなぁ」

 品川がつぶやいた。市民大会は五月と十月に行われ、五月最後の日曜日と決まっていた。小学生から中学生までは学年ごと、小学生は男女区別なし、高校生以上は十代、二十代、三十歳以上で男女、高校生は試合会場の手伝いをすることになっていた。

「西日本学生大会とは重なってないみたいですよ」

 山田が応じた。一昨年は重なったため、十代は高校生のみとなったが、昨年はY大学がエントリーした。兄はどちらも一回戦で敗れた。昨年の相手は大学生で、清二が見ている前で面返し胴を取られた。

 車がY大学方面との交差点に差し掛かった。まっすぐ行くと高校、左に曲がると大学である。川を渡り、単線の鉄道線路をまたぐと高校だった。線路をまたぐとき蒸気機関車の観光列車が通りかかった。

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