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2018年11月 2日 (金)

十五の春(7)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 ゴールデンウィークにもクラブは行われた。中学時代には他県のチームも来る練成試合があったが、高校では憲法記念日の県内チームだけの合同稽古というよりも練習試合だった。強豪チームは他県に遠征したが、Y高校は進学校でもあり、連休の翌週には一学期の中間試験を控えていた。

 顧問だけでなく、保護者からも車を出してもらい、十五キロ離れた町にある総合体育館に向かった。清二の家には白のミニバンがあり、父が運転、晋一が助手席、品川と山田がそのすぐ後ろ、清二、野村、村井が一番後ろに並んで座った。

 車内での話題は実力テストのことだった。清二は238人中172番、野村が23番で、村井は86番である。ちなみに広中は91番、そして白川は9番ということだった。Y高校からはノーベル賞受賞も出ていたが、東大は一人出るかどうか、九州大学クラスを狙うには50番以内というところである。

 家に帰ってどのくらい数学や英語に仕えるのかが話題となった。晋一はY大学の医学部を目指すように進められてその気になっているようで、助手席でイヤホンをしているのは音楽ではなく、英語のリスニングテープだった。そうやって剣道のことを忘れているのは山田も同様で彼はミュージックである。品川は何を考えているのかわからないが、ひたすら車窓を見ていた。

 総合体育館は貨物列車の駅の脇にあった。列車から降ろされた自動車部品を詰めたコンテナが並び、工場に運ばれるのを待っている状態である。体育館の駐車場は200台くらい止まれた。制服姿、ジャージ、稽古着・袴に着替え済みと様々な格好で降りた者が玄関へと吸い込まれていた。

 館内にずらりと整列した参加者は約300人、全員で準備体操と素振りをすると六つあるコートに割り振られた。一人五試合はできるように組み合わせが行われ、審判は生徒が交代でという形である。清二はH商工、N学園、S高校、T学院、高専の一年生とリーグということになった。

 最初の相手はH商工、初めての相手ということで、慎重に様子をみて試合中盤に合い面で清二が取った。次はN学園で何度か対戦した相手である。試合は終盤までもつれ、清二は竹刀を担ぐ体勢から面に来た相手の胴を抜いた。S高校の選手には出小手を二本決め、T学院にはつばぜり合いからの引き面で一本勝ち、高専の相手はまず面返し胴を奪い、それから小手を面に返した。五戦全勝、取った本数7本、面三本、小手二本、胴二本、取られたものなし、とりあえず平常心で臨めたのかなというところである。

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