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2018年11月 1日 (木)

十五の春(6)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 入学式のときには校庭の桜はすっかり散ってしまった。清二は一年三組に決まった。翌日には実力テストが行われ、久しぶりに国語・数学・英語の問題と向き合った。兄は学年で五番以内をキープしていたが、学業についてはあまり自信が持てなかった。中学時代の兄は二十番くらい、トップクラスが難関私立高校に進んでYではトップクラスになったという感じである。清二のほうは中学で一番よいときでも六十番くらいだった。

 クラブの紹介では剣道部の説明を兄と女子の副将がやった。武道の選択は清二はもちろん剣道を選んだが、希望者は柔道のほうが多かった。入部希望者は見学も含めて男子で八人くらい、半月たった時点で残っていたのは清二の他に四人だった。女子は推薦の二人に一般の一人が経験者、そして一人高校から始める決断をしたのがいた。

 はじめと終わりの礼のときはキャプテンを最右翼にして並ぶ形、一年生の中では清二が一番右で次が弘中、村井、あとの男二人の位置は未定だったが、それを決めるための部内試合が二度目の土曜日に行われた。中学から始めたという野村と親の転勤で三月まで東京にいたという白川が他の一年生三人と戦った。

 野村と村井は引き分け、弘中が小手で二本勝ち、白川は村井に面一本、弘中には胴を狙ってきた小手を押さえて一本勝ちを収めた。

「はじめ」

 主審は山田だった。野村が声を張り上げて間合いを詰めてきた。中学で一度だけ対戦して勝ったことはあるが、とにかく油断せずにいこうと臨んだ。試合の中盤に面に来たのを胴に返した。そのあとは出小手が決まった。

 白川には互いの合い面の直後に引き胴で先行された。清二は岡野に使って以来封印した小手・胴の連続を見せて追いついた。最後は合い面勝負にみせて返し胴で突き放した。ここまでの部内試合は十三試合で九勝二敗二引き分け、勝率69%、取った技十六本で面四本、小手五本、胴が七本で、取られたのは五本、そのすべてが胴、得意なのも弱点も胴という結果に「得意技のすぐ横に落とし穴がある」という中学時代の顧問の言葉を思い出した。

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