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2018年11月19日 (月)

青春の旅立ち(3)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 夏の朝の日差しが部屋に差し込んでいる。清二は冷蔵庫に入れたコンビに弁当を取り出した。金曜の朝から二十四時間の駅勤務土曜日の夜に稽古、日曜の昼から行われる四・五段の審査見学という予定になっていた。弁当を食べて洗濯機を回しながら、部屋の中で足さばきや一人剣道形を進めた。部屋は南向きで窓の外は車両基地である。観光用の蒸気機関車が煙を出して運転の準備をしていた。

 洗濯物を干してから手洗いに入った。国鉄時代に作られた建物は大小兼用の和式がそのまま残っていた。茶褐色の太くて長い便で体調はまぁいいかなと思った。昼食はロードサイドの定食屋で済ませ、車で運動公園の体育館に向かった。三月に免許、六月に中古の軽自動車を買ったが、乗るのは非番のときに買い物と稽古に良く足いう程度である。

 体育館の一角に武道場があって、柔剣道それぞれ二コート取れる広さだった。剣道場の床はスプリングがよく効いて船酔いしそうなほどである。月に一度、土曜日の午前に行われる合同稽古は六月に初めて参加した。七月は駅勤務のために出られなかったが、八月は行けそうである。ここには警察や刑務所の剣士をはじめ県内の連盟の指導者が姿を見せていた。

「よう元気そうだな」

 体育館の入り口をくぐると品川が声をかけてきた。卒業前でないと四段は受けられないが、見学だけでなく審査の手伝いということで開襟シャツにスラックスといういでたちだった。

「兄貴まだですか」

 清二は受付を持つ中に晋一が見当たらないのに気づいた。

「さぁ、トイレで緊張ほぐしているかも」

 品川の返事に清二は笑いをかみ殺した。警察の関係は別の形で審査をするらしく、ここに来ているのは大学生や会社員などである。四段は28人で最高齢は65歳、五段は25人で最高齢が70歳だった。

 晋一が現れた。受付でもらった番号は10番 9番は刑務官で、6番はA大学の学生である。大学生の中には女子も二人いて男子と区別はしなかった。審査は午後一時開始だか、気温は34℃、空調はあるが、熱気でそれほどきいていなかった。

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