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2018年11月15日 (木)

十七歳・五里霧中(3)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 9月には部内試合が行われた。清二は村井・弘中・白川には一本勝ち、野村とは小手一本ずつで引き分けた。野村が急激に伸びたなというのが顧問の感想だった。一年生に対しては亀井には面抜き胴と出鼻小手、まだまだ面の破壊力に課題があると思わせた。青木には面と小手、山形に対してはつばぜり合いから引き胴を奪い、面勝負をかけてまだまだであると見せ付けた。世良には一本取れただけである。

 秋の市民大会は二学期の中間考査の後だった。それ自体はまた130番台と変わらなかった。小中学生の試合の手伝いもこなして昼から十代男子の部である。Y高校は9人、商工から8人、Y大学が8人、N学園6人で、電力会社のゼッケンをつけた一人、商工の卒業生で発電所勤務だが、先生のツテで入った。ちょうど32人というヤマで、まず野村が電力の人と竹刀を交えた。

 野村の最初の面に対して相手は返し胴に来たが、当たったのは垂れだった。野村は振り向くと再び面に飛び込み、旗が上がった。二本目は野村が裏から回りこんで小手を攻めた。相手の手元が浮いた瞬間、野村は右斜め前に踏み込んで胴を抜いた。甲高い音と同時に審判は一斉に旗を上げた。

 世良は面一本で勝ち、品川はN学園の者に面一本で敗れた。村井は出小手と小手抜き面でストレート勝ち、山県は相手が二度場外に出る反則で一本勝ちだった。清二の最初の相手はY大学の二年生である。他県の出身で、夏に四段を取ったばかりと品川から聞いた。立ち上がると確かに強いプレッシャーを受けた。

 先手は大学生に取られた。清二がつばぜり合いから引き胴で間合いを作り、面に出たところを出小手である。清二は裏から回り込む小手からの技を飛び込み面に切り替えた。返し胴がヘソの上に当たったが、自分の竹刀が面を捉えているのを感じた。審判の判定は「面あり」である。

 互いに間合いと中心のせめぎあいをしたあと、面体当たりから引き面で間をあけ、追い込み面にきたところへ抜き胴を決めた。薄氷の勝利だなと思いながら終わりの例をした。

 青木はストレート負け、弘中も小手を先に取ったものの、面二本で逆転された。得意だった返し胴がワンテンポ遅いのが原因と清二は思った。

 亀井の相手は商工で、先に出鼻面を奪われたが、二本目は面体当たりからの引き胴で追いついた。とにかく出るときに打たれなければ二の太刀でなんとかなるのだが、最後は出小手で敗れた。

 白川もN学園の者に面で先行しながら、返し胴と面で逆転された。

 

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