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2018年11月16日 (金)

十七歳・五里霧中(6)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 地方大会の会場までは高速道路で片道三時間かかった。朝早く出て十時に開会式、個人戦ではいきなり全国レベルの強豪の選手と当たった。清二は小手・面から入り、次の小手・胴で先手を取ったが、突きで追いつかれ、気持ちが押し込まれた状態で面には手が出なかった。

 地方大会の翌週には昇段審査が行われ、同学年女子の初心者は二段に一年生は亀井が初段、世良・山県・青木が三段になった。山県は中段に戻して受審した。警察官に合格した山田も稽古に参加するようになり、四段を念頭に小太刀までの形稽古もした。それは清二が相手を務めた。Y大学の品川は三段になり、正月の稽古初めに現れた。

 二月には推薦入試の合格者が決まり、剣道は男女一人ずつとなった。男子は岩本で、全中にあとひとつ、地方大会では二回勝つという実績を持っていた。三月には晋一のY大学医学部合格が決まった。剣道を続けるため、春休みに稽古に来て39の竹刀を使うようになった。山田は既に使っていた。

 岩本の力を見るための部内試合では、山県と世良が引き分け、青木は面二本を奪われた。亀井が合い面の直後に引き胴を放ち、審判をしていた品川、山田、清二は旗を上げた。岩本は面と小手で逆転した。続いて新三年との勝負では野村が最初の面を胴に返し、二本目は岩本が面体当たりからの引きどう、最後は野村の出小手だった。

 村井も最初の面は胴に返した。そのあと岩本が面で追いついて引き分けた。広中も同じ展開だが、岩本は面で逆転した。白川に対しては面で一本勝ち、清二は合い面勝負で取ると二本目は小手・面に来るのを胴に抜いた。

 入学式・クラブ紹介を経て新入生は岩本の他に三人、女子は四人が入った。四月の終わりの一年生同士の試合では岩本は赤崎と杉山にストレートで二本、村松には合い面からの引き胴を決められたが、面と小手で退けた。

 三年になって進路の問題は否応なく持ち上がった。大学よりも剣道が続けられる職場、警察・消防・刑務所、電力は工業系だが、JRの運転士養成というのは文系でも行けるという進路指導の言葉に清二は心引かれた。昔は鉄道専門の警察もあったそうだが、小学生時代にJRの大会に出たこともあり、考えてみるのもいいかなと思った。

 

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