« 飛鳥Ⅱ 神戸⇔日向 | トップページ | 十七歳・五里霧中(6) »

2018年11月16日 (金)

十七歳・五里霧中(5)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 新人戦の会場は市民大会のときと同じだった。それは気分的にはホームというところである。まずは個人戦である。野村の相手はI高校の大将、どのくらい善戦できるかという思いで見守った。開始早々、野村が攻め込んで相手が出鼻面を狙った胴を抜いた。小気味よい音がして一斉に旗が上がった。

 そのあとも攻防が続きもうすぐ時間というところで相手が小手に来たのを防いだ。面に返そうとした野村の左側の試合用胴が甲高い音をたて、追いつかれてしまった。延長になって野村が面勝負に出て小手を打たれた。「惜しいところだったな」と清二は声をかけた。

 清二は一回戦は面、二回戦は小手で一本勝ち、ベスト8をかけた戦いでは小手を先にとられたが、面で追いついて最後は小手から胴への変化で取った。ベスト4への試合は小手で一本勝ち、これで地方大会の出場権を得た。準決勝の相手は野村を倒したI高校の選手である。

 清二は試合中盤につばぜり合いからの引き胴を奪われた。そのまま時間切れとなり、結局優勝はその相手が決めた。翌日は団体である。一回戦はT学院、弘中は引き分け、野村は面返し胴を先に奪ったが、合い面で負けて追いつかれた。そのときから野村の動きが急に鈍くなり、つばぜり合いから引き小手を取られた。

 白川が面二本でストレート勝ちし、村井が引き分け、清二は小手で一本勝ちした。野村が足を捻挫したようで、次は世良に、村井も山県と交代した。次の相手はH商工、弘中が面で一本負けしたものの、世良は面返し胴と出小手を奪い、白川も面と引き胴を決めてリードを広げた。山県と清二は引き分けである。

 次にあたったのはI高校だった。弘中が何としてもチームに貢献せねばという気迫で相手を攻め崩して胴を抜き、そのままつないだ。世良は小手を奪われ、小手を取り返したものの、面で突き放された。白川は面で先行したが、逆胴を食らい、最後は面を浴びた。山県は冗談からの片手面を繰り出したころへ相手の竹刀が胴を守ろうとする手より早く山県の腹を切り、それが決勝点となった。

 一勝三敗でチームの負けが決まったが、製磁は個人戦のリベンジという目標をたてた。相手の不敵な笑みは終始変わらなかったが、試合の中盤に相手の左脇が甘くなった瞬間に切りつけた。そのままにじり寄って「どうだ」という気持ちで残心を示したら審判の「胴あり」という宣告が耳に入った。そして一本勝ちへ持ち込んだ。

 

|

« 飛鳥Ⅱ 神戸⇔日向 | トップページ | 十七歳・五里霧中(6) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 飛鳥Ⅱ 神戸⇔日向 | トップページ | 十七歳・五里霧中(6) »