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2016年6月15日 (水)

下り坂(200)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 イベントはまず「小倉祇園太鼓」の披露からだった。カウンターの前にちょっとしたスペースが作られ、ベンチと737およびMRJのシートがその後ろに並んだ。737のシートは黒、MRJは茶色のレザーである。ベンチは十五人、シートは合わせて20人が座れた。まず哲也が簡単に挨拶した。

「本日はクリスマスではありますが、小倉の夏祭りから紹介させていただきたいと思います。当社の最初の路線は、ここ羽田と北九州であり、今年で十五周年となりました。今後ともご愛顧いただきたく、まず祇園太鼓、無法松の世界をご堪能ください」

 そして第一ターミナルの南ウィングに「やっさやれやれ」の掛け声とジャンガラ、太鼓の重々しい響きが広がった。J航空のカウンターに並ぶ客たちも見入っている状況である。

 続いて福岡のももちのタワーにドーム、北九州の工場の夜景を紹介した。どちらも写真パネルで、カウンターの前に展示である。工場では高さ200mの煙突のイルミネーションをアップで出した。

 それから宇部がらみで秋吉台のカルスト地形、湯田温泉、萩を紹介した。さらに防府と大宰府の二つの天満宮が受験生の強い味方になることもアピールした。

 関門海峡については、壇ノ浦がらみ、そして巌流島の決闘を演技として披露した。東京の漫才師だが、武蔵と小次郎の役で登場した。武蔵は二刀、実際は船の櫂ではあるが、あえて二刀ということにアレンジした。小次郎は長い刀である。

 小次郎が二刀の両腕を浮かせて胴に切り込んだ。武蔵は「打ち合わせ」と違うだろ」と言って小刀で小次郎の頭を叩き、ギャラリーは大爆笑した。  

 イベントの締めくくりは午後四時、客室乗務員によるクリスマスベルの演奏である。これはA空輸でもやっていて、その伝統を引き継いだものだった。

「本日はクリスマスイベントをごらん頂ありがとうございました。当社は来年、羽田と松山福岡と種子島および屋久島にも乗り入れを開始いたします。今後ともS航空をご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。きたる年が皆様にとってよい年となることを願いましてイベントの締めくくりといたします」

 最後の挨拶を終えた哲也はシートの撤去が夜間ということを確認して搭乗手続きに入った。帰りの飛行機は午後六時の出発である。南ウィングの一番から三番までがS航空のスポットで、北九州行きは一番からだった。それはD航空のMD87の時からもう三十年近く続いていた。

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