白い闇(21)
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TG駅は八両くらい止まれる長さのホームが一本、両方に線路があるタイプである。この先は行き止まりになっているが、昔はもう少し先まであったような雰囲気だった。ホームの先端にあるスロープを降りて線路を渡ると平屋の木造駅舎だった。レールは南北、駅舎は西側である。東側にはレールの後と思われる更地があって少し離れたところに蒸気機関車と石炭化者が保管されていた。
蒸気機関車のところに行くとM港にあったものよりひとつ後の年代のタイプである。吹きさらしの状態で置かれているため、色あせていた。後ろの二両の石炭貨車も同様だった。赤レンガの二階建ての建物があり、ここに炭鉱関係の資料が展示されていた。炭鉱はこの周囲に五つあったそうである。
昼食は駅前の食堂で済ませた。そしてO駅に向かう快速バスに乗った。バスは一時間に一本の運転で、大学のところまでは各停留所、そこからは途中一箇所のみの運転だそうである。停留所は集落ごとにあるという感じだった。黄色の車体に赤帯のバスの床下には荷物スペースがあってここに郵便物を収納した。そうすることで少ない乗客のカバーという役割もあった。
バスはディーゼルカーと同様に乗車率が三割あるかどうかだった。大学生もこれを利用するが、あとは病院に通う老人くらいである。一キロくらい走ってはとまるという繰り返しで、郵便局のあるところで、職員が郵便袋を積み込んだ。大学まで残り二キロあたりから住宅地となり、列車よりも少し早く五十分くらいで到着した。
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