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2016年4月17日 (日)

白い闇(15)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 朝食はバイキング形式で、GN国大使館関係者もきていた。ハムエッグにフライドポテト、紅茶にトースト、コーヒー、オレンジジュース、そしてデザートとしてG国特産のカカオを原料にしたチョコレートである。食べ終わると宿を出て、地下鉄に乗った。ループとの接続駅から王宮側に一駅、そこで降りると地上に出て徒歩二分で「世界三大博物館」と言われるBミュージアムである。朝九時からの開館で真っ先に入った。

 展示物は古代の有名な文物が売りであるが、有名なもの、ツアーの定番をサッと見て二時間くらいで退出した。本気で見るなら一週間は必要と言われるほどの収蔵物の量だった。再び地下鉄に乗ると中央駅の先一駅で降りた。ここから歩いて四分ほどで科学博物館であるが、その前に母国の料理を出す店で昼食を取ることにした。店は階段を上がってすぐだった。

 B国に来て以来、母国の料理とは縁がなかった。せいぜいカレーライス、それも植民地だったID国のものである。久々に食べたものは母国の値段の倍はするかなという感じだった。客はやはり母国からLシティで仕事のために来ているという人が多かった。お酒は夜にならないと出してはいけない・・・とLシティの条例があるため、あとで北駅近くの百貨店で母国の酒を探してみるつもりである。

 科学博物館では機械式のコンピュータ、医学・化学・地質といった展示コーナーは駆け足、蒸気機関や紡績機とかは少し丁寧に、乗り物関係はじっくり見た。乗り物はまず自動車で、蒸気自動車なるものが順路の最初に置かれていた。レールのない初期の蒸気機関車という感じだが、既存の馬車業者の圧力によって作られた規制のために発達しなかったそうである。

 それからB国で最初に作られたガソリン自動車、馬車の車体をそのまま使ったようなものである。有名なスポーツカーの初期モデルは王室からの寄贈と説明されていた。黄色く塗られた車で、二代前の国王がドヤ顔で運転席に座っている写真もあった。それから先代国王の専用リムジンだったL社のワインレッドの車と続いた。

 飛行機のコーナーには世界最初のジェットエンジンがあった。航空機産業はA国が世界を席巻している状況であるが、この国も航空機の発展では大きな役割を果たしていた。じぇつエンジンだけでなく旅客機のジェット化も先駆けたが、相次ぐ事故を起こしたのが痛かった。それから先の世界大戦でG国の攻勢を食い止めた戦闘機が置かれていた。

 飛行機の展示で引き際目に付くのが、四発ターボプロップのV70である。かつては主要な輸出品、母国のエアラインも10機保有していた。長さ25m、幅28m。「国営」航空の塗装で王室の紋章入り尾翼と窓の部分のラインが赤、その他はベアメタルである。機内に入ることもできて、操縦席を覗くこともできた。シートは通路をはさんで横四列、定員は68人、狭苦しく感じた。航続距離は2700キロで速度は550キロである。前のドアから乗って後ろのドアから降りた。

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