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2016年3月22日 (火)

Our generation(44)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 店を出ると「おおさか維新」の候補の車が絶叫をあげて通り過ぎた。その候補はS高校を出て外資系企業に勤めた三十歳そこそこの者である。「歩いている人が投票用紙に見えてしまう」という心理状態だとツイッターに書いているのを見てこれは駄目だと思った。私は違うところなのよと思いながら校門をくぐり、武道場のある体育館に向かった。

 更衣室にはS大学のゼッケンを着けたグループが五人、ただ、OBは商学部三年の次期キャプテンのみで残りは他校の出身である。宮崎・熊本・大分・山口からという具合だった。ヒロは防具袋を開けて会社名の入ったゼッケンのついた垂れを取り出した。これは五月に作ったばかりのものだが、まだ鹿児島以外では疲労したことがなかった。

「おや、どこに勤務なんだ」

 同情に出るとOB会の会長に声をかけられた。以前は面をかぶって恵子をつけてくれていたが、ここ数年は見るだけという状況である。

「鹿児島にいます。終わったらすぐに戻ります」

 五語護持からやはりOBの経営する居酒屋で「アルコール抜きの」壮行会を予定していたが、そのときには博多駅で帰りの指定をしてもらう予定である。現役は三年が男六人、女三人、二年生は男五人、女二人、一年生は男七人、女四人だった。社会人はヒロとQ電力の三十歳過ぎの人だけで、顔は出すものの見るだけという人が四人だった。

 面をかぶった瞬間、ねっとりした空気が鼻を突いた。Q電力の前に女子部員が並び、ヒロの前には一年生の男子二人、その後ろに女子がついた。主力組は皆、学生のところである。顧問の先生は垂れと同までだった。とにかく蒸し暑く、今年の夏は猛暑だなと感じた。それでも鹿児島に比べたらと思いながら臨んだ。

 最初の一年男子はヒロよりも少し背が低く、ずんぐりした体型だった。少し前かがみなのが癖かなと感じた。面を狙ってくるのが背を起こすのでわかったので、手首を返して相手の真っ黒な同を抜いた。小気味よい音にこれだから止められないと思った。その後は五分くらいいろんな業を繰り出してみた。最後の一本勝負は小手を取られた。

 二人目の一年男子は背が高くてスリムな体型である。最初は同じく面に対して胴を返した。スピードがまだ返しで対応できるなと思った。こちらも普通の黒胴である。そのあと五分程度やって最後の一本勝負は引き胴を浴びた。後に並んだのはずっと女子である。ヒロはもう足が重くなっていた。  

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