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2016年3月13日 (日)

Our generation(42)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 車掌研修の最後は「緊急時の乗客非難誘導」である。マニュアルがあって車両火災・津波非難が想定されていた。ヒロが乗務する新幹線ではトンネル内での火災というのが最悪のケースとされた。基本的にはトンネルを脱出するのだが、熊本と鹿児島の間はトンネルが連続している状態である。前年の夏に東海道新幹線の社内で灯油がまかれて放火されたケースがあり、マニュアルとしては乗客を他の車両に誘導、消火器を使うといったことが挙げられた。列車の外に出るのは周りの列車も止めたのを確認してからということである。

 できる限り乗客は外に出さず救援列車の横付けを待つということも推奨された。新幹線の場合は全線が複線でカーブだと少し車両が傾いて高低差ができるものの、直線区間はフラットで列車同士は一メートルほど開いた状態である。ドアとドアの間にハシゴと展覧防止の綱をはって渡ってもらうのだが、課題は車椅子の乗客である。

 津波については新幹線は心配の必要がなかった。シーサイドライナーの大村線も波打ち際を走ったりする部分もあるが、大村湾は完全に内海であり、津波の心配はなかった。問題は小倉・中津の一部区間で特に行橋・中津が周防灘の海岸線に近かった。ここでは最大六メートルくらいと予測されていて万一の際にどうするかが問題だった。

「駅と駅の間で停車した状態なら山側に移動、高台があればそこにということですね。駅の場合なら跨腺橋があればそこに上っていただく」

 講師のベテラン車掌がそういうと小倉駅配属の者が「行橋と中津は高架になっていますが、列車から出ないほうがいいでしょうか」と尋ねた。

「まぁ、その二つは高台と同じようなものですから、そのほうがいいでしょう」

「桜島の噴火とか川内原発で事故という場合、どのようにするのでしょうか」

 ヒロはマニュアルにない事態について質問してみた。

「桜島の場合は灰が降った区間を止めることになるでしょうね。川内は・・・場合によっては避難のために新幹線を使うということもあるかもしれないです」

 すべての研修が終わったのは五日目の午後五時である。三人は小倉駅まで一緒に移動した。関門トンネルをくぐることのできる電車は国鉄時代に作られた車両で白い車体に青帯が入っていて小倉と下関をシャトルで運行していた。長崎配属の者は博多行きの特急「ソニック」へ、それから特急「かもめ」である。ヒロは新幹線ホームに移動して鹿児島に向かう「さくら」に乗り換えた。

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