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2015年9月13日 (日)

日比谷百景(12)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 盆休み明けに北米事業部の飯田がアメリカに赴任するということで同期の壮行会をやることになった。F生命はシアトルに本社があるリンチンチン・ライフというアメリカでは中堅の生命保険会社を買収した。日本語としては言いにくいので、社内では「リン・ライ」と呼んでいた。飯田は同期の出世一番手の一人である。

 彼は私と同じ福岡県出身でL高校からT大経済学部に進んだ。最初の配属は人事部で、次は鹿児島支社で総務、L高で免疫があったのか独特の雰囲気にも飲み込まれなかったが、年上の一般職に逮捕されてしまった。東京に戻って出向で経済団体にいる間に兄と妹の二人組みができた。

 F生命に戻ってからニューヨーク事務所に行き、日本に戻ると本社の人事部、海外事業部、子会社の経済研究所出向を経て北米事業部と渡り歩いた。リン・ライでの役職は人事担当の部長である。それはF生命では本社の次長・支店長に相当するもので、同期でこの位置に達したのは彼だけである。

 壮行会は午後七時から社員食堂でやることになった。テーブルはひとつで、飯田を囲むのは保険金部の宮原、経済研究所の永井、投資運用部の砂糖、主計部の中野が日比谷組、それから京橋、新宿、横浜、東戸塚教育部からの計九人である。全員が課長クラスの立場だった。

 宮原の上の子供はC大学の理工学部に進んだ。永井は最初、株式投資部に配属され、ロンドン事務所勤務も経験して十年前からはずっと研究所である。チーフエコノミストという肩書きで株価に関するニュースでは時々テレビに露出していた。K大経済学部出身で、母校で社会人向けの修士も取っていた。

 砂糖はずっと投資一筋である。海外勤務はなかったが、出向で経済企画庁に行ったこともあった。中野は保険の設計ができるアクチュアリーとこれまた専門職である。支社の三人は本社と支社を行き来していた。京橋と新宿は契約の担当でたまに無理難題のものの相談メールを送ってきた。

 テーブルにはビールとピザ、魚フライにフライドポテト、アップルパイが並んだ。一次会は簡単に済ませ、あとは二次会というところである。ビールは関係の深いAビールで入社当時からずっとこれに慣らされていた。入社当時はすっきりした味わいが新鮮だったのに丹生五年過ぎると何か物足りなさを覚えた。

 

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