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2015年9月 7日 (月)

日比谷百景(6)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 午後三時くらいになると女子は山田副長以外手持ち無沙汰の感じになった。七月・十一月・二月は販売強化月間のため、その月の末と翌月の初めは土曜出勤して処理する状況である。川村には六月までに3000万円までの契約を審査できるようにすることを課題として与えた。大田は5000万円までである。

 女子社員による川村への尋問は大学時代のことや休日の過ごし方である。それが彼女の有無を探っていることは確かだが、私も次長も咎めだてはしないようにしていた。一・二年目の社員は業界団体の行う講座の勉強をしなければならなかった。六月には第一回のテストがあり、遊び歩いてばかりはできなかった。

 川村がいたのが「交通論ゼミ」ということで大田がにわかに興味を示した。航空関係のレポートで卒業したと聞いたとたん、それ以上は入らなくなった。午後四時を過ぎて青空が急に曇り、激しい通り雨になった。皇居は白い闇の中に消えて雷鳴が響いた。午後五時には雨がやみ、女子は副長以外、ロッカールームに立ち去った。

 午後六時には決定用の端末がストップした。正確には午後六時時点で審査している契約までで、そのあとに別の番号を検索しても出てこないということである。川村が業務日誌を磯崎副長に手渡した。西崎次長が退出し、山田副長と古賀課長補佐も未確認の調査書類を箱に入れに行った。

 六時十五分までには磯崎副長と川村以外はフロアから離れた。私は「生保講座をしっかりやっておくように」と言い残してフロアを出た。副長が業務日誌を点検してそれからどうするかはお任せである。人事部からの指示で午後七時以降にもフロアにいることは節電にもつながるためと禁じられた。

 有楽町から山手線で秋葉原に向かった。定期券が「有楽町⇔亀戸」となっている関係で秋葉原に立ち寄ることも多々あったが、改札は出ずに総武線のホームに上がった。亀戸で降りると自宅の賃貸マンションに直行した。夕食は明太子のパスタにシーフードのサラダである。

 入社当初は生保講座、その後はフィナンシャルプランナーの資格取得で夜の時間を費やした。JR出向時は中国語の勉強であ。海外勤務を夢見て英語に力を入れていた入社時の先輩はその後外資系に転職した。定年のあとは何をするのか、第二の人生のことも少しずつ考えるようになった。

 娘は高校の体育祭準備のために午後八時まで学校にいたそうである。五月にやるというのはなんとなく違和感があった。中学ではじめたブラスバンドは高校でも続け、トランペットをやっていた。学業成績はといえば、どうやら理系に向かないというところである。六大学クラスには行ってほしいというのが親としての希望だった。

 

 

 

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