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2014年6月17日 (火)

明日君は陽だまりの中で(26)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 英樹の審査はすぐに順番が来るので、最初の組が始まるときに正座して面をかぶり、列に並んだ。試合とは別の緊張感が少しずつ突き上げてきた。便通は朝はなく、会場に来てしまった。前の晩に「個室」で壁にもたれて搾り出したが、それで落ち着いたかどうかは不明である。

 一つの審査が四十秒から一分程度、十五分くらいで「17」と竹刀を合わせた。互いに精一杯の掛け声を出し、互いに面に飛び出した。竹刀同士がガチャリとぶつかった感触がして英樹は剣先を前に突き出すようにして相手の反対側に進んだ。振り向くと相手が次の面に来たので小手を叩いて体当たりした。「17」は英樹の右胴を叩いて間を空けた。

 互いに一足一刀の間に戻すと「17」が英樹の小手を狙った。英樹は合い小手・面を返した。振り向くと相手は英樹の面を打つ機会をうかがっていたので、剣先をスッと沈めた。相手が体が伸び上がってくるのを英樹は右斜め前に踏み出して腹を思い切り切った。スパーんという快音を残して「17」の上半身が虚空を泳ぐように去っていき、その背中に剣先を向けると「やめ」の号令がかかった。

 次は反対側から出ることになって「20」の後ろに向かうとき審査を見ている山田と目があった。彼はそれから英樹のつけた垂れの番号に視線を向けた。「20」の動きを英樹は観察した。「17」とはいきなりだったが、次の相手は小手狙い多いなと感じた。

 二回目の立会いは、間合いに入って剣先を少し高めにしたらやはり小手に来たので抜き面を浴びせた。一足一刀の間になって英樹は小手・面に行くとみせ、小手・胴に変化した。相手の梨色の胴がパーンと甲高い音を立てた。振り向くと相手が面攻撃に来たので小手を抑えた。そのあと英樹のほうから面を打ち、胴に返されたが、そのまま真っ直ぐ突き進んだ。

 面を外すと肛門を必死で閉めないといけないほどの便意を感じた。トイレがあるのは校舎という表示がされていた。英樹は胴まで外したが、垂れはそのままにして「個室」に駆け込んだ。壁に三角形のタンクがつけられたタイプで垂れはそこに乗せ、袴の腰板の部分からの紐だけ解いて前に抱えてしゃがんだ。パンツははかずにやっているのでこれで袴を汚す心配はないはずだった。

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