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2014年6月15日 (日)

明日君は陽だまりの中で(16)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 十月最後の日曜日、透き通った青空が広がった。英樹の他六人が新飯塚駅で折尾に向かう列車を待っていた。みんなネイビーブルーに七つボタンの制服である。行き先は折尾駅のすぐ近くにあるT高校だった。新人戦を前に練習試合をしておくというのが目的である。

 十月半ばには学校の体育大会があり、その前の週に市民大会があった。中学生までは学年ごと、高校以上は学年の区分はなしである。N中は二年生が優勝を果たし、二人入賞した。一年生も最高が三位で初心者四人のうち二人が勝ち星を挙げた。英樹は三回戦で松井と当たって出小手で一本負けした。やはり起こり頭を読まれたんだなと思った。一回戦は飛び込み面と面返し胴、二回戦は引き胴一本での勝ちだった。松井はベスト8、優勝は商業高校の者だった。

 ディーゼル機関車に牽引された5両の赤い客車が到着した。始発ではなかったが、座席には十分余裕がある状態である。客車の両端には自動ドアがあって窓に背を向ける席、車両の中央は四人がけのボックス席だった。景色を見やすくするため、一同は四人がけのところまで入った。

 ディーゼルカーと違って客車は音が静かだった。直方で少し客が増えたが、席には十分余裕があった。山陽新幹線の高架をくぐり、遠賀川の鉄橋を渡った。折尾は若松に向かう筑豊本線の上を鹿児島本線がまたぎ、駅の南で分かれた線路が東で鹿児島本線に合流するという複雑な作りをしていた。

 英樹たちが乗った列車は鹿児島本線へ入っていく線路に面したホームに停車した。ここからT高校までは歩いて五分くらいだと聞いた。鹿児島本線の駅舎のほうからも黒の上下に剣道具の袋や竹刀袋を持った集団が出てきた。女子の姿もあって二年生の誰かが「あれぇ勃起しそう」と言って松井にひっぱたかれた。

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