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2014年6月16日 (月)

明日君は陽だまりの中で(21)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 英樹たちは決勝戦と三位決定戦を見届けることにした。三校が県大会に進むのである。決勝はT川とN商業だった。山田が小手で一本勝ち、次鋒は引き分け、中堅は商業が面で一本勝ち、副将も引き分け、大将戦でT川が逆胴を決めて優勝した。相手の左脇がわずかに開いた瞬間を捉えて体育館に快音が響き渡った。

 マイクロバスで学校に戻ったのが午後三時である。グランドからはサッカー部と軟式野球部が引き上げるところだった。道具を片付けて制服に着替え、寮の部屋に戻ると同室の二年生に結果を尋ねられた。

「一回戦はY高校に勝って二回戦でT川高校に負けました」

「斎藤君はどうだったの」

「Y高との試合は面と胴で勝って、T川には胴一本で負けました」

「剣道の防具って江戸時代に考え出されたものみたいだねぇ」

「そうです」

「切られても死なない。今のウォーゲームかな」

「昔も今も人間の本質って変わらないのかもしれませんね」

 夕食のときは大塚にも剣道部の結果を尋ねられた。サッカー部も新人戦が間近に迫っていた。彼はフォワードに入ることが有望視されていた。やはり防御よりも攻撃だな・・・と英樹は思った。

「T川の山田って全中までもう少しじゃなかったかな。一本しか取らせなかったなんて凄いじゃない」

「こっちも胴へ二・三回切り込んだけど一本にはならなかった」

「寒稽古のときには久々に稽古したいな」

 武道はクラス単位で行われていた。高三はなしである。英樹と大塚は別のクラスだが、一月半ばの寒稽古のときは高校も中学も一斉にやると聞いた。 

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