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2014年6月18日 (水)

明日君は陽だまりの中で(35)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

「切り返しはじめ」

 中高合同で基本の稽古を始めるときも英樹が号令をかけた。ちょうどそのときS医科大のゼッケンを着けた永井が現れた。先生が座る側の入り口に近いところに彼は防具袋と竹刀袋を置いた。

 中学生は経験者と初心者に分かれ、正面打ち、小手・面打ちまでは高校と共通のメニューだった。そのあと中学のキャプテンが高校とは別のメニューで号令をかけた。高校は突きが入ったが、中学ではなかった。

 英樹は「引き技」と号令した。鍔競り合いの状態を作って引き面二本、引き小手、引き胴というパターンである。中学のほうは面体当たり引き胴だった。高校では「逆胴」も取り入れたが、中学では面に対しての技で小手に力を入れたい者は小手を打った。抜き胴になるか返し胴になるかは相手の竹刀を受け止めるのが返しで、手元が上がった瞬間に打つのが抜きである。

「逆胴」は相手の竹刀を押さえ込んで、相手の構えが左脇の空く「三所避け」の状態になったケースを想定したものだった。それは中学生でも経験者がよく使った。

 自由に稽古となって永井に真っ先に並んだのが福原だった。二番手になった英樹は中学の初心者組のほうに視線を走らせた。こちらは面を外させて片方面、相手方はそれを受けて左右胴という切り返しを始めていた。

 福原は反時計周りに旋回して面打ちに出た。案の定、永井は竹刀を受け止めると伸び上がった胴に返した。そのあと福原にいくつかの技を出させて何か注意していた。彼が単発の小手を多用していたので小手・面や小手・胴の連続を使えというような感じである。

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