« 東日本大震災(2432) | トップページ | 原北稽古(232) »

2014年6月12日 (木)

明日君は陽だまりの中で(8)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 体育館の前には中学の部員が八人いた。二年生五人で一年生三人、一年生の初心者が六人入ったが、日曜日の自主練習は防具を着けている者だけである。もっとも初心者も週明けには防具デビューという予定だった。

 二年の松井が鍵を開けると中学の数人はロビー脇のトイレに駆け込んだ。他の者は防具置き場へ向かった。ここで着替えをして垂れと胴まで着けるようになっていた。防具置き場には青春の汗のなんとも言えない匂いがたちこめていた。

「なぁなあ、この中にはアノ匂いもあるのかな」「さあ、おおい、一年は夜中にパンツの中がベトベトになったりしてるかぁ」中学のほうではそんな会話が始まった。

「三日に一度はこうやって出したほうがいいぞぉ」「えっ、トイレでですか」「今行っている奴らはきっとうんこをしてついでに」「しゃがんだままだったら小便と同じように前に流し込んだらいいけど、壁にもたれてやったりしたら飛び散るよなぁ」「それはトイレットペーパーを巻いてやればいいけど」

「おいおい。しゃべってないで早く着替えろ」

 松井が棚越しに怒鳴った。今日は高3が一人もおらず、高2は三人、高1は四人という状態である。

 準備体操と素振りのあと、面をつけて全員で基本の稽古をした。切り返し、正面打ち、小手・面、小手・胴、面体当たり引き胴、出小手、面抜きまたは返し胴、小手抜き面とメニューをこなすと試合稽古は練習試合ということになった。中学生はリーグ戦、高校生は勝ち残りの勝負である。審判二人、時計係一人という具合でスタートした。

 英樹と同学年の二人が竹刀を合わせた。英樹はストップウオッチを手にした。審判は二年の二人である。隣のコートの中一同士の戦いでは開始早々面抜き胴が決まって心地よい音が響いた。勝ち残り試合は引き分けの場合、両者ともに負けとなった。

 

|

« 東日本大震災(2432) | トップページ | 原北稽古(232) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 明日君は陽だまりの中で(8):

« 東日本大震災(2432) | トップページ | 原北稽古(232) »