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2014年6月 8日 (日)

明日君は陽だまりの中で(4)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 五月最後の日曜日にインターハイの地区予選が行われた。会場は直方駅の近くにある高校の体育館である。午前は個人、午後団体というスケジュールだった。個人は各校二名ずつで男子は上位四人、女子は三人が県大会に進めた。団体も男子は四校、女子は三校という枠である。

 四月の終わりには選手選考が行われ、英樹は団体の補欠として登録された。団体は七人で、三年四人、二年二人に英樹が選ばれた。英樹は一年生の中ではトップ、二年生の次期キャプテンと見られる松井に一本負けしたくらいで、三年生からも勝ち星をあげた。

 個人はキャプテンと永井の二人である。英樹はキャプテンとは引き分け、永井には面返し胴を二本取られた。ゴールデンウィークの間には実家に帰った者もいたが、長崎が実家の英樹はずっと寮で過ごし、中学と合同の稽古で過ごした。

 会場への移動は永井の父の茶色いセドリックと別の三年生部員の家の白いワゴン車の二台だった。英樹が乗せてもらったのはワゴン車のほうで、電気工事の会社の名前が入っていた。

 着替えるのは会場でだった。中学では教材用の防具だったが、さすがにワンランク上の道具を使うようにした。面の喉や胴の胸には黄緑の刺繍が施され、垂れにも三段の飾りがついたものである。ゼッケンは中学のままであり、道具も卒業した人が置いていったもの、剣道着は新調したので「新しい稽古着に古い道具だと強そうに見えるなぁ」と二・三年生に言われた。

 体育館には4コートが作られ、開会式が終わると早速個人戦が始まった。三番目の試合の永井の相手はT商業である。互いに有効が出ないまま延長戦に突入した。審判の号令と同時に相手が面に飛び出したのを永井は得意の返し胴で取った。コートを囲んでいた。N高の一同は拍手した。

 キャプテンの試合は十六番目、一回戦の最後である。相手はO学園の者で身長が180センチを超える巨漢だった。鍔競り合いから引き胴を打ったのを追い込まれて転倒し、足首を捻挫した。試合の続行は無理ということで負けになってしまった。

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