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2014年6月16日 (月)

明日君は陽だまりの中で(19)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 十一月に入って最初の日曜日に新人戦の地区大会が行われた。週明けから後期中間考査前のクラブ休みに入るので、思い切り暴れまわろうと思った。会場はN高校から三キロほど南、炭鉱跡を工業団地に造成したエリアの一角にある体育館である。

 移動は松井キャプテンの父がマイクロバスを手配して一・二年部員全員が乗った。選手は七人、英樹は先鋒に配置された。新人戦は団体のみで個人戦はなかった。選手は学校を出るときから剣道着姿、応援の部員は制服である。

 体育館には観覧席がなく、半分が選手の控えとなるスペース、残り半分を二つの試合場というような使い方だった。女子のほうが少ないため、最初は男子が二つ使うと審判長から伝えられた。

 初戦の相手はY高校、地区では最も南にあるところである。部員は五人ぎりぎりだった。それでも黒胴に金色の校章を揃えているのは学校の歴史を背負っているんだなと感じさせられた。

 英樹は立ち上がり、掛け声を抑え気味にして相手の様子をうかがった。最初の面は受け止められ、胴を叩いて間をあけたが、審判の反応はなかった。相手の小手・面をしのぎ、離れて止まったところに飛び込み面を打った。今度は旗が三本あがった。

 二本目は面で取り返そうと相手が飛び出した瞬間に胴を抜いた。バスッという鈍い音がして英樹は左手を少し緩めて右手だけで相手の腹を切り裂いた。すれ違ってサッと相手の背に剣先を向けると「胴あり」の宣告が聞こえた。

 次鋒は小手と引き胴で勝ち、中堅は面抜き胴を二本立て続けに奪った。副将も引き胴と面抜き胴、大将の松井は面二本で五人全員が二本勝ちという初めての記録を打ち立てた。

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