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2014年6月14日 (土)

明日君は陽だまりの中で(12)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 吉塚駅は篠栗・筑豊の起点である。折り返しで直方行きになる列車はまだ到着していなかった。ホームの向こうでは山陽新幹線が弧を描いていて博多駅に到着する列車がスピードを緩めながら通り過ぎた。

 クリーム色の車体に窓の部分が赤く塗られた二両編成のディーゼルカーが到着した。ドアは二箇所でドアの近くは窓に背を向けて座り、ドアの間は背もたれを動かして向きを変えるシートが並んでいた。英樹は背もたれを動かせる席の通路側に腰を下ろした。座席は二人掛けだが、永井・松井と三人向かい合わせになった。

「永井先輩は大学どうされるんですか」

 松井の問いに彼は「国立と私立を併願かな」と応えた。法律か経済を手当たりしだいという感じである。Q大学クラスなら共通一次で八割は必要だが、今のところ模擬試験での得点予想は七百五十点前後と言った。

「斎藤はヤッパリ歯学部かい」

 永井の問いに英樹は肯定した。一時は航空宇宙に進みたいとも思ったが、歯科医院を継ぐのが天命なのかなと思ったりしていた。

 列車は吉塚を出ると田園とも住宅地とも区別しにくい福岡市東部を進んだ。やがて山が迫って急な坂になり、床下のエンジンがうなり声を上げた。八木山峠の長いトンネルを抜けると筑豊である。

 新飯塚に着くとインハイ予選のときに乗せてもらったワゴン車が駅前で待っていた。一度には行けないので三回に分けて移動した。英樹は一番最後に校門のところへ送ってもらった。

 道具は体育館に戻し、寮の部屋に入るとみんなベッドで大の字になって夕食前の仮眠といったところである。

 

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