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2014年6月18日 (水)

明日君は陽だまりの中で(36)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 福原が解放されると英樹が永井の前に進み出た。初太刀は面で勝負と決めていたが、竹刀を上から押さえて打ち込んだにも関わらず、跳ね上げられて右胴に一撃を食らった。ひるまずに次の面打ちを出したら小手を押さえられた。完全に動きを読まれているんだなと英樹は思った。鍔競り合いに持ち込んだとき、永井はストップをかけて面金を寄せてきた。

「ここで、どんな崩し方するか研究するのがいいよ。基本で引き技やってたよね。引き面、引き面と相手に上を警戒させてすかさず、胴というのも作戦になるから」

「ありがとうございます」

 そうしてしばらく、いろいろな崩し方をさせられた。鍔競り合いで相手の竹刀が立った状態にして引き小手、拳を上から押し下げて引き面とみせ、押し返してきたのを引き胴、真後ろではなく、左斜め後方に間を空けるように見せるというのもやった。

 永井に掛かったあとは高校生同士での稽古である。そこで引き小手や引き胴を浴びせてみたりした。

 礼が終わると中二の者が永井の防具を片付けた。英樹たち高校生はS医科大学の稽古について聞いてみた。

「他の大学と合同でやったりしている。土曜日は女子短大が出稽古に来るし」

「女子短大ですかぁ」

「K歯科大学もそうみたいだよ」

 永井は英樹のほうを見て笑みを浮かべた。Q大学の歯学部は難しいが、K歯科大学なら行けそうだった。そこは小倉にあってN中学からも近かった。

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