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2014年6月14日 (土)

明日君は陽だまりの中で(10)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 夏の激しい日差しが福岡の街に降り注いでいる。七月下旬に玉竜旗という高校生の剣道大会が福岡市民体育館で行われた。この大会は戦前から続いていて抜き勝負という独特のものだった。福岡の高校剣士にとっては三年間の締めくくりであり、福岡の高校はほぼ全てが参加した。

 英樹は補欠として七人のメンバーに入った。先鋒が永井、大将はキャプテン、間の三人は二年生である。次期キャプテンの松井は中堅である。もう一人の補欠も二年生だった。朝六時に寮を出て新飯塚から吉塚まで国鉄に乗り、吉塚から歩いて十分で会場に着いた。応援の一年生は竹刀を運んだ。竹刀は重量検査を受けて検印をもらうということになっていた。

 夏休みの補習時期ではあったが、剣道部は二年前から玉竜に参加することになった。最初の年はF大付属と対戦した。ここはいろんなスポーツでも強豪で、スポーツ推薦で入った者がゴロゴロしていた。結果は五人抜きでの負けだった。先鋒はいきなり面を取られ、二本目は面を受け止めたと思ったら引き胴を浴びた。

 二人目もあっという間に面を二本取られた。授業用の防具に白紐では完全に舐められていたなと応援だった三年生は言った。三人目もいきなり面、面を取りに行って出小手と三十秒以内で決着がついていた。四人目が永井で果敢に面を打っていったが、二本とも抜き胴だったそうである。大将も最初は出鼻面、二本目は面抜き胴で倒された。

 一年前、相手は佐賀の県立高校だった。旧制中学の流れを汲むところで、先鋒に入った永井は面一本で敗れ、その後は小手二本、面と面抜き胴と三人抜きされ、副将は何とか引き分けに持ち込んだが、最後は一年生で大将に入った松井が小手一本で泣いた。 

 竹刀の検査を受けている間に制服から剣道着に着替えた。開会式は午前九時で、九時半には試合開始である。、今年は最初に当たるのが山口県の東から来たI高校で試合の順番からみると午後になる感じである。観覧席ではK高校に行った岡部の姿を見たが話をする機会は得られなかった。白いシャツに灰色ズボン、一本線の入った帽子をかぶった彼は何か指示を受けてバタバタと動いていた。

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