« 東日本大震災(2435) | トップページ | 明日君は陽だまりの中で(15) »

2014年6月15日 (日)

明日君は陽だまりの中で(14)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 英樹は体育館のトイレに入った。「個室」は二つとも閉まっていたが、片方ではベルトを締める音がしていた。水の流れる音と同時にドアが開いて中一の初心者の一人が出てきて英樹の前を帽子を取って一礼して通り過ぎた。夏休みの後も初心者は四人が残っていた。みんな体型は小太りで体力がありそうな感じである。

 英樹は排水口に太くて長い便がひっかかっているのに気づいた。数日前に藤崎のすぐ後に入ってみたものよりもどっしりしたものである。どういうわけか股間がムズムズして英樹は先に搾り出しを始めた。数滴ふりかけてから茶色いバナナが三本、どれも流れそこないよりは小さいものが水溜りに落ちた。体中汗だくになったが、ズボンだけ履いて上はひっかけただけで「個室」を出た。

 準備体操のあと、基本の稽古に入った。一年生の初心者は十月に行われる市民大会でデビューすることになっていた。この大会は個人戦のみである。前年の中学の部では相手はNというゼッケンに「ラッキー♪」という反応をしていたが、夏の終わりに目いっぱい練習した面体当たりから即座に引き胴や面を取りに出て胴に返されたケースがかなりあったようである。初心者も二人が面体当たり引き胴を奪っていた。

 今年は初心者に面をかぶらない状態で片方が面、もう一方がそれを鎬で受けて胴に返すという切り返しをみっちりさせた。そして胴を抜かれても諦めずに振り返って面を打つというメニューも取り入れた。それは相手の抜き胴失敗をチャンスに拾うということでもあった。胴を抜くのは同じ一年の経験者でこれまた練習である。

 初心者はみんな面の速度はまだ遅いが、体当たりのあとの胴には鋭さがあった。これなら一本取れそうだし、勝ち星は無理でも相手に一矢むくいるのは可能だと英樹は思った。その次のステップが小手・胴の連続で、これと出小手ができると試合の組み立てはかなり楽になりそうなところである。

高校のほうでは、喉を突くのがメニューとなった。さらに左上段に構えた者の胸に突きを入れるのも行った。手先ではなく、腰から行くようにしないと外すと注意された。

 

|

« 東日本大震災(2435) | トップページ | 明日君は陽だまりの中で(15) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 明日君は陽だまりの中で(14):

« 東日本大震災(2435) | トップページ | 明日君は陽だまりの中で(15) »