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2014年6月16日 (月)

明日君は陽だまりの中で(22)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 年が明けて一月下旬に寒稽古が行われた。朝七時から八時までの一時間、中学と高校が一緒になって体育館で準備運動・素振り・自由稽古をやった。高校三年生は受験真っ只中ということで参加はなかった。

 寮では起床してすぐに朝食が出された。授業は八時半から開始である。朝の稽古をすると頭がすっきりするというのが中学時代の経験だった。着替えるのは寮の部屋で、稽古が終わると寮に戻って制服、そして校舎では白の校内服という慌しさである。

 体育館の床は冷凍庫のように手足が貼りつきそうな冷たさだった。やはりみんな貼りつかないようにするために足踏みをしている状態である。顧問の他に剣道経験のある教職員も参加して元の側に座った。

 礼をすると準備体操、素振りは正面素振り三十本、左右面三十本、跳躍素振り三十本である。号令は松井がかけた。そのあとは一斉に面を着けた。全員がやるには体育館は少し狭かった。

「ごめん、今日は久しぶりにやりたい奴がいるから」

 英樹は大塚と稽古するために同学年の部員を断った。大塚と待ち合わせると出来るだけスペースが取れそうな場所に移動した。

「初段はケースケが先だから」

 英樹は大塚を元のほうに促した。二月には二段挑戦をするので合格すれば自分のほうが上位になるが、それまではこの位置関係である。

 蹲踞から立ち上がると互いに掛け声を張り上げた。サッカーに転向したとはいえ、やはり構えはしっかりしていて簡単には打ち込めないなと英樹は思った。剣先をらせん状に動かして何とか自分が優位な状態になるように試みた。窓の外は体育館に入る頃は真っ暗だったが空が明るくなり始めた。

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