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2014年6月16日 (月)

明日君は陽だまりの中で(23)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 英樹は右ひざをソッと持ち上げるようにして面打ちのタイミングを測られない作戦を使った。左足に体重がかかっているので勢いも出ると思ったが、打って出たとたん大塚が得意だった出小手を打たれた。ああ、まだまだ追い越せていないと英樹は思った。大塚は面金の中で笑みを浮かべた。

 小手・面をやってみたが巧くかわされた。小手・胴も大塚の手元が浮かないので不成功に終わった。英樹は相手の目を意識して竹刀を上から押さえてみた。大塚が面を防ごうと手元を上げたので右胴に切り込んだ。バチッと鈍い音がして英樹は相手の左側を通過した。振り返った大塚が迫ろうとしたが、英樹が喉に向けて剣先をつけていたので攻撃を断念した。

「ヒデの課題は出頭かな・・・。サッカーと違って攻撃と守備は表裏一体だもんな。攻め込んでの胴はよかったよ。気持ちで攻めて相手の構え崩すのができたら、テツと当たっても大丈夫」

 テツというのはK高校に行った岡部である。蹲踞で終わりにすると大塚に同じ学年のサッカー部が手合わせを申し入れた。英樹は教職員の誰かに掛かろうかと思ったが、中一の初心者の一人から「お願いします」と頼まれた。

 最初は相手の面打ちに対して出小手を打った。下位の相手には起こりがよく見えるなぁと英樹は思った。英樹のほうから小手・面を仕掛けると相手は必死で受け止めた。引き胴で間を開けてみたら追い込んで面を打たれた。

「よし、今のいいぞ。ラスト一本勝負行こう」

 英樹は彼がどのように仕掛けてくるか様子見することにした。小手・胴に来たが、英樹が手元を浮かせたのに刃筋が下にずれて垂れに当たった。面体当たり引き胴の次のステップだぞと念じながら、面打ちに出てみたら相手は抜き胴にきた。へその少し右あたりからだったが、すれ違って中段に構えて反撃に備えるところまで出来ていたのでOKした。

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