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2014年6月20日 (金)

明日君は陽だまりの中で(43)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 七月下旬に福岡国際センターで玉竜旗大会が行われた。これが高校での最後の大会である。チームは先鋒に福原、次鋒には二年生が入り、藤崎、杉田、英樹という編成である。高田はスタンバイに回った。

 緒戦の相手は鹿児島の工業高校である。今年も五人抜きされそうな予感もあったが、とにかく一人一人が全力で戦うのみと顧問は言った。朝六時前にマイクロバスで学校を出発して会場に着くと竹刀の重量検査を受けた。

 ワインカラーに金色の校章が入った胴は一年たって右側にいくつもの筋が出来ていたが、まだ鏡の代用が出来そうな表面である。普段使っている黒胴は左は光沢があるが、右側は顔が映らないほど白く変色していた。

 T高校に行った平田の姿を見た。今年は選手に入ったのか剣道着に身を固めて黒に金色の校章を入れた胴を着けていた。観覧席にいるとK手に入ったN中の者も茶色の胴を着けているのがわかった。

 試合は午後になってからとわかった。開会式が終わるとみんな垂れだけ残して胴を外した。英樹は便意を感じたのでトイレに足を運んだ。「個室」は埋まっていて少し待たされた。ドアが開いて灰色のズボンに白いシャツ、黒に一本線の帽子をかぶったK高校の生徒が出てきた。左胸の黒い布切れについた学年章を見たら「Ⅰ」となっていた。

 和式便器の平らな水溜りから排水口にすべり落ちる部分に茶色の筋が残っていた。英樹は垂れを外してドアの金具にかけ、袴の腰板を前に抱えるようにしてしゃがんだ。後ろから前まで一直線に落とした便は真ん中で割れた。残ったゴルフボール状のものを割れた部分に落とすと英樹は紙を引き出した。

 観覧席に戻るとT高校が戦い始めたのが見えた。平田は大将に入っていた。相手は福岡県内のチームで、T高校は副将までで相手を倒した。

 

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