何となく 何とでも〔44〕
前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m
懇親会は食堂で行われた。会場のある経済学部棟は教室も食堂も備えているので、一度建物に入ると外に出る必要がなかった。
「福岡での生活はどうですか」
大学での恩師に挨拶すると同じように質問された。私は「いろいろと刺激を受けています」と答えた。八月から交際している話は伏せた。うまく行くと誰に仲人をお願いするかとなるが、それは今の職場となるのが自然だった。
「そういえば、今つきあっている女性はいるのかな」
「紹介していただいたりしてます」
「それはよかった。そろそろというか、早めにと思っていたから」
他の会員が割り込んできたので、話は終わりになった。次にいつ関東の研究会に出るかも言われることはなかった。
ホテルは都心の梅田にあるHホテルである。懇親会が終わると電車で移動した。チョコレート色の車体に木目のシックな内装は日本一と誰かが言っていた。関西にある大学というのも悪くないのかなと思っていたが、移ることが可能かは不明である。運よく関西の大学に移った人もいたが、私にとっては故郷に少し近づいても相手には故郷を離れるということである。
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