何となく 何とでも〔35〕
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水曜日の午後は各種委員会が入るようになっていた。学生委員会の議題は問題を起こした学生への処分ということもあった。前年の夏に市職員が飲酒運転で死亡事故を起こしたにも関わらず、春休みに酒気帯びで検挙された学生がいてどういう処分を下すかということが議論となった。
「今まではこの場合、学生部長による訓告という処分でしたが、どうもそれでは甘いということになりそうです。少しランクを上げて一定期間の停学ということでいかがでしょうか」
「それでは過去の処分とのバランスが取れないのではないですか」
「確かにそうですが、今後は飲酒運転に対して厳しく臨むという姿勢が求められるようになります」
「このケースは、事故を起こしたわけではなく、そういう点では訓告以上の処分は重いのではないでしょうか」
「確かにそういう御意見は理解できますが、昨年の事故以来、世の中の空気は変わりつつあります。学生の自覚を促すためにも注意喚起は必要と思います」
「停学にするとしてもどのくらいの期間が相当と考えておられるんですか」
「それを議論しようと思います。先生方それぞれの意見をお伺いしたいと思います」
学生部長がそういうと事務局から他大学の事例が紹介された。検問に引っかかったというのでは、おおむね一ヶ月、物損事故で六ヶ月以内、人身事故で死亡という場合が退学だった。
「私は一ヶ月」「一ヶ月が妥当でしょう」「私も」
こうして意見が集約された。私も他の委員に従った。委員会で決まると次の週に教授会が行われて正式に決定である。
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