何となく 何とでも〔39〕
前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m
夏の烈しい日差しが福岡の街に降り注いでいる。盆休みになったが、航空運賃が高いので私は福岡で過ごすことにした。就職委員会の関係で持ち込まれた見合い話があってシーホークホテルで待ち合わせることにしていた。委員長は法学部の教授で、ゼミ生で中学校で社会科の教員になった人を紹介された。私よりも年は五つ下で、福岡市の出身、高校はF高校で、今は城南区が勤務地である。
「公民を教えているので、経済学とも多少は関わりありますよ。ところで、暑いとあまり出歩くのも」
ホテルのロビーで教授は携帯電話を気にかけながら言った。待ち合わせは午前十一時半である。どこで昼食をしようか迷うところだった。
「そうですね。季節がよければマダ」
相手は五分ほど遅れて母親と一緒に現れた。教授は「こちらは埼玉が御実家なので」と母親に告げた。
ランチは少し離れた場所にしようということになった。天神も博多駅周辺もランチタイムは混むので、空港はどうでしょうと提案した。彼女は反対はしなかった。
天神行きのバスに乗り、地下鉄に乗り換えて福岡空港に着いたのは午後一時前である。もうランチの時間帯は過ぎかけていた。空港のロビーは盆休みの帰省客でいっぱいだった。私たちはエスカレーターで三階のレストラン街に上がった。
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