何となく 何とでも〔22〕
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九月半ばの土曜日の朝10時、私は地下鉄天神駅と天神地下街のクロスするところで文学部の末次教授と待ち合わせしていた。教授とは広報委員会で一緒になり、いろいろと話すうちに卒業生のなかに独身の子がいるから紹介しようということになった。教授はフランス文学が専攻で福岡市が出身である。F高校から私と同じ大学の文学部に進み、ずっとS大学で教鞭を執っていた。
私から教授に自己紹介の書類を渡したのが盆休み明けで、一週間あとには相手のプロフィールが写真とともに封筒に入れて私のメールボックスに入れられた。私より二歳年下で、旅行代理店勤務である。N鉄大牟田線の白木原駅の近くに住んでいてЧ高校を卒業していた。クラブは高校・大学ともに美術部となっていた。
教授と接触すると近くのカフェで相手の到着を待つことにした。教授の携帯電話には今さっき白木原駅に着いたばかりと連絡があった。教授はカフェの名を相手に伝えた。カフェは駅の広場に面していて私たちはガラスのそばの座席に腰を下ろした。教授はカフェ・オ・レ、私はアイスコーヒーを頼んだ。
2016年のオリンピックを誘致する話が出た。東京、札幌、福岡で競り合って、東京都の知事が「田舎でやる必要はない」と言うのなら「太陽の季節」を悪書ボックスに放り込めとか、だけど飲酒運転事故が投票する委員の心証を悪くしたのかもと言っているうちに相手が店に入ってきた。
教授が相手にも注文させると代金はこちらでと言い残して出て行った。彼女はオレンジジュースを頼んだ。とりあえずどこでランチをしようかとなって、地下街を少し南に行ったイムズにしようと決まった。地下街から地下二階の部分に入り、展望エレベーターに乗った。地下二階から八階まで吹き抜けになっており、十二階から十四階も吹き抜けである。十二階から上がレストラン街となっていた。
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