下り坂〔155〕
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二人目は女子で上段だった。哲也は左小手、右小手、突きは見せるようにして、あとは逆胴に返したりした。鍔迫り合いの状態も作ってみて「出鼻が大事」というようにアドバイスした。最後は面で終わりにした。
そのあと、一年男子二人が続いた。二人とも哲也と同じ中学の出身である。少しずつ勘はよくなって、最初は面打ちに誘い出して胴に返した。最後の一本はどちらも小手を取られた。足の動きが鈍いのは寒さだけではないような気がした。
五人目が女子のキャプテンである。哲也は小手に来たら面、面に来たら胴と応じるだけになっていた。最後の一本は面を受け止めて引き胴を打たれたのを認めた。それからキャプテンで哲也はやはり面返し胴を浴びせたが、最後の一本は胴に返して振り向いたところの面だった。
現役よりもOBのほうが多く、哲也は空いた十四期下の者に稽古をお願いした。大学のゼッケンをつけているのは医学部に入りなおしたからである。初立ちの合い面は向こうに取られた感じだった。途中で胴を抜いたのもあったが、最後はやはり面勝負の勢い負けである。
さらに引退した三年生に電力会社のゼッケンをつけた者ともやった。一時間の稽古が終わると顧問の先生から報告があって新人戦では男子団体が県で四位になり、九州大会に出ることがわかった。その大会は五島で行われるが移動は福岡空港からの飛行機なのか船にするのか不明である。
最後の車座での話しは長くならないように切り上げた。電力の者は入社二年目で結婚することになって「年上に捕まった」そうである。缶ビールは誰も手をつけず、OB会長は大学生に持ち帰るように行ったが、結局哲也が2本引き受けた。
特に新年会に行くこともなく、午後四時過ぎにはバスで戻った。二日はデパートの初売りに行き、三日は妹夫婦が家に来て、午後三時過ぎに哲也は福岡空港に向かった。東海道新幹線が有楽町駅の近くの火災でストップしているというニュースがあり、飛行機のほうもあおりを受けるのかなと思った。
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