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2014年1月14日 (火)

死して朽ちず〔8〕

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 二人目はキャプテンである。鋭い掛け声を掛けて彼を反時計回りに旋回しながら攻撃のタイミングを計っていた。それをデジカメで記録しながら何が起きるだろうかと期待した。キャプテンが思い切って面に飛んだ瞬間、彼はスッと右斜め前に踏み出し、胴を抜いた。また小気味よい音が体育館の中を響き渡った。

 そのあとも小手に対して面を見せ、相手に打たせるモードにしたあとで「一本勝負」を宣言した。これも最後はキャプテンが小手を打ったのを認めて終了した。それから一年生と思われる男子二人、どちらも最初は面返し胴で、一本では二人とも引き胴を決めた。さらに女子が四人続いた。彼はもう技を出さず、最後の一本は引き胴で終わらせていた。どうも足が冷えて動けないような感じがした。

「あのぉ、稽古されている様子を記事にさせていただいてよろしいでしょうか」

 終わりの礼のあとでそのように申し出た。彼が着けていたのは「運輸省」のゼッケンだったため、それが写っていない写真となるとキャプテンから抜き胴を奪ったシーンだけになった。「まぁこんなところかな」と彼は苦笑した。

「健康維持のために副知事のときもされていましたよね」

「これからはそんなにやる機会はないけれど、まぁ素振りだけは」

 健康維持ということは前知事のこともあって大事なキーワードである。とはいえ、稽古で怪我をしたりすると大変だった。女子部員と稽古している時間のほうが長いような気がしたが、それは伏せたほうがいいと判断した。

 

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