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2014年1月30日 (木)

Our generation〔14〕

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 次に弁論に立ったのは三年の同期である。彼はみんなから「右翼でロリコン」とみられていたが期待にたがわない論陣をはった。

「被告は心神耗弱です。そして介護による財政負担、国家財政のプライマリーバランスを図るためにはこのようにするしかなかったというのが、おそらく社会通念上は異常と判断されるものと思われます」

 これに対しては特に質問は出なかった。やはりこういう論議は許容されないだろうなとヒロは思った。

 それから四年生が弁論を行った。こちらもまた滅茶苦茶な論理を展開した。

「被告は工学博士であります。そして介護現場労働の機械化を模索し、そのなかでの事故であります。これは学問、つまり警報の上位規範たる憲法二十三条で保障されたものであり、刑法の適用は許されないものであります」

「あのぉ、介護労働の機械化とおっしゃいますが、いったいどのようにしようとしたのでしょうか」

「それは被告が妻の体を楽に持ち上げるため、首にロープを巻きつけてウィンチで持ち上げようとしたのであります」

「それって絞首刑にしてしまうもんじゃないですか。死ぬということが認識されていたのですか」

「ありません」

「じゃあ、被告人も認知症という可能性があるということになりませんか」

 質問してきているのは法学部だろうなとヒロは思った。一学年250人は高校の400人に比べると少ないが、どういうわけか名前と顔が一致しない人が多かった。それは学校に来ているかどうかの差でもあった。

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