« 試合稽古に・・・ | トップページ | 寒さは少し和らいだけど »

2013年12月 2日 (月)

その先へ飛ぶこと〔55〕

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 研究室に戻るとひとまず半月後に北九州市の大学で行う集中講義の準備である。ここでも佐世保でやったのと同じように大学への通学手段、福岡・大阪・東京などへの旅の有無や利用交通手段をデータとして集めることにしていた。アンケートは出席確認の位置づけである。最終的にはテストで単位を認定だった。市立大学のレベルならば出席数を単位認定の評価にするまでもないが、やはり出ていた者とまったく出なかった者の評価には差が必要と感じた。

 午後三時になって大学院を目指す者が研究室にやって来た。K学園大だけでなく、少し高望みしてS学院大にも願書を出した。研究計画書はいずれも交通経済論で整備新幹線をやるということだった。K学園大は研究計画書を元にした面接と英語のテスト、S学院大はこれに加えて経済原論・経済政策・日本経済・アメリカ経済・ヨーロッパ経済・中国経済・金融の中から二科目を選んで筆記試験を受ける必要があった。

 学生は経済政策と中国経済を選んでいた。手ほどきはしてみたが、どちらも大丈夫だろうかという感じである。英語の文も「イギリスの空港民営化」とか「アメリカ鉄道史」はともかく、金融の話になると危なっかしかった。両大学の先生にはトモヒロからお願いのeメールを出しておいたが、S学院の先生からは「お力になれないかもしれない」と匂わされた。

「甘木鉄道と松浦鉄道、それに肥薩オレンジ鉄道の三つに絞りました。あのぉ、平成筑豊鉄道は飛び地みたいなのがあって」

「関門レトロですね。あれは性質が全然違う」

 トモヒロはゼミ遠足を思い出した。門司港に行ったのは一度きりで、あとは別の方向だった。使われていない貨物線を使ってトロッコ列車を走らせていると聞いたが、家族を連れて乗りにいくということもなかった。

|

« 試合稽古に・・・ | トップページ | 寒さは少し和らいだけど »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: その先へ飛ぶこと〔55〕:

« 試合稽古に・・・ | トップページ | 寒さは少し和らいだけど »