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2013年12月26日 (木)

死して朽ちず〔6〕

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 二回目となる定例記者会見は、平成二十五年最後のものとなった。発表事項はI国基地への艦載機受け入れの前倒しと子供への性犯罪者を監視するシステムの検討である。後者については、宮城の知事が検討させたが、東日本大震災の被災地であり、警察のマンパワー不足ということで見送られた。後者に関しては「反対する者はロリコンの味方をするんですね」と行間に含まれている迫力があった。

 質疑応答でもこの二点は特に質問がでなかった。その代わりに東京都知事の問題についてコメントをしてくださいとなった。

「いのっち もとい猪瀬知事のカバン手品失敗はテレビで拝見しましたが、都民への説明が理解されなければ御自身で進退をお決めになるものと思います」

 彼は左こぶしと右こぶしの親指を合わせて自分の腹に突き立てる仕草をした。県議会の答弁や発表事項のときは立て板に水というか淡々と語るのが、質疑応答になるとジェスチャーを派手にやり出した。

「実は新しい情報で、東電病院の売却を猪瀬知事が強行に主張して、それと医療法人からの五千万円借り入れが関係しているようなのです」

 彼の表情が一瞬固まった。それから「事実とすれば、こうなることもありえますが、それは私がコメントするものではないと考えます」

 彼は両手首を前でくっつけて逮捕を暗示した。それから靖国神社に関する質問が出た。

「私の母方の祖父は陸軍で戦死しています。配偶者の縁者からも海軍のゼロ戦に乗って戦死があって、昔、デートはお金も時間もなかったので靖国や乃木神社でやってました」

「すると総理大臣が参拝することに関しては」

「国のために尊い命を捧げた英霊に尊崇の念を持つのは当然で、行かない総理は駄目なのだ、と思っていました」

 彼はそう言って笑みを浮かべた。「この知事右翼だぁ、怖いよぉ」と隣の席の記者が呟いた。記者席の中央にはビデオカメラがあってこの動画が県庁の「知事室」の「定例記者会見」でも流れるようになっていた。彼は会見場の記者ではなく、カメラを通した聴衆を意識して話しているようだった。

基本的には 定例記者会見がネタとなるので 一ヶ月ほどしてから再開します 他の作品もはさんで 

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