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2013年11月11日 (月)

その先へ飛ぶこと〔34〕

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 R大学に着くと大教室の前で受付を済ませた。トモヒロは研究所時代の先輩に呼び止められて控え室に連れ込まれた。先輩は神奈川の私立大学で物流論と交通論を担当していた。

「今年は交通学会には来ないのかな」

 交通学会は前年にF大学で開催された。トモヒロは熊本の先生と共同で北部九州の交通インフラというテーマで発表した。今年は物流学会は参加するだけで、交通学会は関東であることから参加は見合わせた。

「交通費の問題がいろいろと」

「来年、新しい北九州空港が出来るよね。その関係で貨物施設に関することをやってもらえないかなと」

 北九州というのにトモヒロは引っかかるものがあった。今は福岡市民でもあり、福岡市と北九州市のライバル意識を刺激するのはどうかという立場でもあった。

「まあ、これは国土交通省のほうからだから、市役所レベルは気にしなくていいよ。少しでも実績作らないといけないでしょ」

「ありがたくお受けします」

 現在の北九州空港は滑走路が1500mだったのを平成三年に100m延ばしてMD87という小型ジェットで東京と結ぶようになっていた。その前はプロペラ機で大阪と結んでいたが、新幹線との競争に敗れて運航休止となった。新しい空港は関門海峡の浚渫土砂を利用した埋立地に2500mの滑走路を作っていた。埋立地自体は南北に4000mだが、まずは747が入れるという段階からである。

「今のところ需要は747どころか737くらいでしょ。貨物専用の747が飛ばせるかどうかが検討課題になるかな」

「高速道路とのつながりがよくなると西日本の広い範囲の貨物を集められるということで」

 

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